「現在はノーギャンブル」と語る男性だが、かつてはパチンコとパチスロに約1000万円もの大金を投じている。それでも10年前の起業を機に、きっぱりと足を洗った。「今は年収300万円ほどの個人事業主ですが、借金も完済し正業に勤しんでいます」と振り返る。
「パチンコを始めたのは10代後半、最盛期は25~40歳くらいまで。パチ屋が潰れない理由を考えれば、負けるのは必然的。それがわかっている分、よく当時は『パチ屋に電気代を払ってやった』などと自問自答をしながら、オケラ街道を歩いたものです。次第に負けが込んでも『明日は明日』と気持ちを切り替え、翌日も朝からパチ屋へ行っていました」
給料日になると消費者金融のATMに向かい、借金を返済する生活に変わっていった。しかし元金および利息を支払うと生活費、ひいてはパチンコ資金が残らない。そのため、6社から順繰りに借り歩いていたという。
「当時の利率は29~40%くらい。利息分を支払うだけで目一杯だったから当然、元金は減りません。もう借金返済のために働いているようなものでしたが、結局パチンコはやめられませんでした」
「心の淋しさから空いた隙間を、ギャンブルが埋めていた」
そんなパチンコ生活だったが、時として大勝することもあった。その最高額について「16万円くらい。でも朝から晩まで回していたし、それに等価じゃない時代だったから……」と複雑な胸中を明かす。とはいえ、勝った分を借金の返済に充てることはなかった。
「期日になれば給料が入るため、『また自転車操業をすればいいや』という感じでした。金を借りる時は恵比寿顔、返す時は鬼の顔。昔の人は上手に言ったものです……。バブル全盛期を経験しているので、余計に金やギャンブルにハマりやすかったのかもしれません。心の淋しさから空いた隙間を、ギャンブルが洗脳していたとも感じていますが」
男性の言うギャンブル最盛期以降は、徐々に「時間の大切さ」を考えるようになっていたったという。そして40代後半の時に「生まれたからには、人間としてやらなきゃならないことが沢山ある」と思い立ち、パチンコ生活の卒業と同時に起業に踏み切ったとのことだ。
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