メルカリの「現金売買」騒動、一体だれが何の目的で? 「多重債務者がクレジットカードを現金化している」という説
ネット上では「現金を欲しい人が、現金を割高に買ってクレジットカード決済しているのではないか」などと推測する人が多かった。手元に現金がなくてもクレジットカードで購入すれば、すぐに現金を手にすることができる。
ただ、クレジットカードにはキャッシング機能がある。そちらを利用してお金を借りればいいのではないかとも思われるが、上限までキャッシングをしてしまった人がそれでも現金が足りずに「ショッピング枠」で買っている、という説も出ていた。
底知れぬ闇を感じるが、メルカリの規約では「債権」や「有価証券」の出品は禁止されているものの、現金は禁止されていなかった。
まさにルールの隙をついた取引とも言えそうだ。ITジャーナリストの井上トシユキさんは、「多重債務者が購入しているのではないか」と語る。
「どこからもお金を借りられなくなった多重債務者が、クレジットカードを現金化する方法として利用しているのではないでしょうか。カードの現金化自体は、以前から行われていました。例えば、新幹線のチケットをカードで50万円分購入し、転売屋に40万円で売っていたんです」
「マネーロンダリングをにつながる可能性がある」として出品禁止に
多重債務者だけでなく、個人の商店主などがこうした現金化に手を出してしまうことがあったという。
「今日返済しなければ取り立ての人が家に来てしまう、今日支払わなければ店が潰れるといった状況に追い込まれているのでしょう。
その後、新幹線のチケットなどから、電子レンジやパソコンなどの家電を購入して、転売業者に売るという方法も登場しました。それが今度はメルカリで直接現金を調達する、ということになったのではないでしょうか」
こうした方法で現金を手に入れても、すぐにクレジットカードの支払いに困る可能性が高い。
「恐らく現金を額面以上の価格で購入するほど、困っている人というのは、他に借りる先がない多重債務者ではないかと思います。自己破産すればいいのですが、闇金に手を出して、労働条件の悪い仕事をさせられたり、麻薬や拳銃の運び屋をやらされたりする可能性もあります。女性の場合は風俗で働かされることもあります」
ITmediaが24日に報じたところによると、メルカリは「利用規約で禁止しているマネーロンダリングをにつながる可能性がある」ため、現行紙幣の出品を禁止した。今後は、出品を見つけ次第、削除していく方針だという。