失業時に使える「家賃補助」制度にネット「知ってたらこんなに困らなかった」 東京在住単身者なら預貯金50万以下で対象
生活に困った時に利用できる制度は数多くある。11月初頭、あるツイッターユーザーの投稿がきっかけで、”家賃補助制度”が話題になった。
家賃補助制度は、正確には「住宅確保給付金」という。離職して住まいを失う恐れがあるか、失ってしまった人が、家賃に相当する金額を受給することができる制度だ。ただ、せっかくこうした制度があるのに、その存在を知らないという人も多い。ネットでは「初めて知ったよ…」といった声が続出している。
離職して2年以内、65歳未満の人など他にも条件が
住居確保給付金がもらえるのは、離職して2年以内の65歳未満の人。期間は原則として3か月間で、ハローワークで月に2回以上、職業相談をすることなどが条件だ。就職活動を真面目に行っている場合は3か月延長され、最大で9か月間受給することができる。全国の自立支援相談期間が窓口だ。
給付金を受給できれば、失業中の生活がかなり楽になる。目先の生活費に煩わされず、就職活動に専念することができそうだ。
支給額の上限は、地域によって異なる。東京都では、単身世帯で5万3700円まで、2人世帯で6万4000円までとなっている。
ただ、この制度は、離職後の預貯金の合計が一定額を超えている人は対象外になる。東京都では、単身世帯で50.4万円、2人世帯で78万円を超えていない人が対象。これ以上の資産がある人は、制度の利用はできない。
10万円までなら無利子・保証人不要で資金を借りられる制度も
住居確保給付金以外にも、生活に困った時に利用できる制度がある。仕事を辞め、住居を失っている場合は「臨時特例つなぎ資金貸付」を利用できる。これは、なんらかの給付を受けることになっているものの、給付が始まるまでの生活に困っている人が対象。10万円以内なら無利子・連帯保証人不要で借りることができる。
また雇用保険の加入期間が通算で12か月以上あり、ハローワークに求職の申し込みをしている場合には、失業給付金を受給することができる。金額は、退職前の賃金の50~80%で、90日から最長で360日間受給することができる。
他にも、失業給付を受給中に再就職できなかった人を対象に、職業訓練を受ける場合に支給される職業訓練受講給付金、再就職までの生活資金を借りられる総合支援基金など、様々な制度がある。それぞれに支給の条件があり、相談窓口も異なるが、上手く利用すれば、失業中も困窮せずにすみそうだ。
住居確保給付金の制度はネットで瞬く間に話題になり、「制度の存在は非正規独り暮らしにとって精神的にもかなり救われます」など、”制度について知られて良かった”という声が相次いだ。一方、「役所は基本、言わないと教えてくれません」「知ってたらこんなに困らなかった」と不満をこぼす人も多い。行政の周知活動が不足していると批判する人も少なくなかった。