“昭和”が引き起こした健康被害「電車、病院、職員室で喫煙」「体育や部活で暑くても水を飲むな」 | キャリコネニュース
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“昭和”が引き起こした健康被害「電車、病院、職員室で喫煙」「体育や部活で暑くても水を飲むな」

今では想像しづらいものも

今では想像しづらいものも

時代は令和だが、現在働き盛りの人々は「昭和」の時代に生を受けている。この元号は60年以上も続いたため、一口に昭和と言っても戦後から復興を経てバブル絶頂期に至るまで、割とアップダウンの激しい時代だった。

僕は昭和59年と最終盤に生まれたようなものだけど、それでも一応は昭和生まれ。思い返すといろんな意味で、今では考えられないような時代であった。

向こう三軒両隣という言葉が生きていて、地域の人々が今よりも密接に関わっていた。娯楽の王道はテレビだったので、視聴率も今より全体的に高めであった。それに消費税が存在しない時代だったので、100円のものは100円で買えた。

そんな昭和という時代だけど、別に素晴らしい過去ってわけでもない。前述のような古き良き日本像とはまた別の、ありえない状況も跋扈していた。そして、それが健康面に悪影響を及ぼしてしまうことも……。(文:松本ミゾレ)

友達の家で飼っている猫がタバコ臭かった!

昭和という時代を振り返る機会は、今もよくある。先日も2ちゃんねるで「昭和という狂った時代に存在したこと」というスレッドが立っていたが、スレ主はその実例としてこう書き込んでいる。

「会社、電車、飛行機、病院の待合室、職員室で喫煙。普通にみんな飲酒運転」

飲酒運転についてはあんまり記憶がないが、喫煙については確かにそんな感じだった。電車なんて灰皿が備え付けられてたし、病院の待合室にも喫煙者が集まっては煙を燻らせていた。もちろん仕切りとか、何もなくってね。

家庭内においても分煙なんて概念は微塵もなかったので、僕はチェーンスモーカーの祖父の吐く煙を毎日まともに浴びていた。友達の家に行っても、大体そこの親父さんは愛煙家だったし、そこで飼っている猫がタバコ臭かったのもよく覚えている。

タバコの煙が有害であるということ自体は認知されていたけど、基本的に「それはそうとして、タバコうめ~なぁ」とお構いなしの、破天荒な時代だったのだ。

だって、がんになって入院している知人を見舞う前に待合室で一服して、それから病室に入るなんておっさんもいたくらい。そんで匂いを察知した患者も「1本分けてくれ」なんつってね。滅茶苦茶と言えば滅茶苦茶だ。

「そこらで立ちションベン」は今もちらほら見かけるような……

タバコだけではない。昭和という時代には、他にも健康面に悪影響を及ぼす要素はいくつかあった。スレッドを読み進めると、いくつか書き込みが見受けられるので、紹介させていただきたい。

「そこらで立ちションベン」
「水俣病。有機水銀が原因だと分かっていながらチッソは汚水を流し続けた」
「とにかく街中工場排煙とドブ泥、腐敗臭が満ちていた」
「学校で体育や部活の運動で暑くても水を飲むなとか」

立ちションベンについては今もちらほら見かけるけど、街中が全体的にアンモニア臭い地域って、この頃はかなり少なくなった気がする。でも、昔は本当にそこらで立ちションしてるおっさんがいたもんだ。

と同時に、犬のウンチも山ほど落ちてた。よく踏んだなぁ。ああいったものを誰も掃除しないからハエも飛んでるし、そのハエがバイ菌を媒介する。裸足で走り回る子どもとかも結構いたし。

それから、水俣病や工場排煙なんてワードもある。こちらも今では考えられない話だけど、昭和の時代にはしばしば人々の暮らしを脅かした。光化学スモッグとかね。僕が生まれた昭和の終盤にはかなりマシになっていたけど、もう少し上の世代の人たちは苦労したんじゃないかなぁ。

そして学校教育の場にも健康に悪影響をあたえる要素はあった。運動中は、どんなにキツくても水分補給をしてはならないというルールが蔓延。このせいで脱水症状に陥る学生も出ていたという。

それに、校内で教師による暴力も横行していたため、物理的に健康を阻害される生徒なんてのも出ていた。こうした状況は平成になってもしばらく続いたが、そのうち問題視されるようになり、今では生徒を殴ったら教職を解かれるまでになっている。

しばしば「昭和は良かった」という声を耳にすることもある。確かに昭和はいい意味でおおらかで、そういう時代が懐かしいと思う人もいることだろう。

だけど、今の時代のほうが性に合っている人だって多いはず。なにせ衛生面では比較にならないほど向上しているし、今更あの時代の水準に落とされても困るって話だ。

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