Amazonで”全く効果のない薬”が買える理由 介護現場や精神薬を飲みすぎてしまう人にニーズ | キャリコネニュース
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Amazonで”全く効果のない薬”が買える理由 介護現場や精神薬を飲みすぎてしまう人にニーズ

画像はサイトをキャプチャ

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Amazonで”全く効果のない薬”が売られていると、ネット上で話題になっている。風邪薬のような箱に入った「プラセプラス」という商品で、有効成分は入っていない。つまり服用しても何の効果もないのだが、なぜ販売されているのか。

商品名の元にもなっている「プラセボ」は偽薬を意味し、本人が服用しているものに効果があると思い込むことで症状が改善することをプラセボ効果という。ただ、飲んだからといってプラセボ効果が必ず出るわけでもない。

同商品は医薬品ではなく、薬の形に似た”食品”だ。Amazonでは処方薬のようにPTPシートを使ったものが30粒で999円、袋入りのものが200粒1280円で販売している。

販売元は滋賀県の「プラセボ製薬会社」。2014年から偽薬の販売を行っている。同社の水口直樹代表は「高齢者の介護現場では薬を定量以上飲みたがる人も多いです。購入者の多くは介護をしている人で、代用目的でプラセプラスを購入しています」と話す。

Amazon販売は「”誰でも買える”を実現したかった」

画像は公式サイトをキャプチャ

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レビューには、認知症の親が市販薬を何度も飲んでしまうため中身を入れ替えて使っているといった声が寄せられている。水口代表曰く、「中には抗不安剤などの薬を飲みすぎてしまうと自覚を持っている人が使用することもあります」という。

プラセボ効果を期待してというより、「薬を飲んだ」ということに満足をする人も多いようだ。ネット上では「これを商品化した人のアイディアすごいな。こんな需要があるとは」「病は気からですね」といった声が寄せられていた。

Amazonでは商品発売当初から取り扱っている。水口代表は「Amazonならネット環境があれば誰でも購入できます。この”誰でも買える”を実現したかったんです」と話す。実際売上はAmazonからの購入が圧倒的に多いという。

「制度上、医療現場で取り扱ってもらうことが難しいのが課題」

プラセプラスの主要原材料は低カロリー甘味料としても使用される還元麦芽糖だ。そのため少し甘みを感じるという。水口代表は「苦いほうが薬っぽいのでは?といわれますが、知らずに飲むと薬ではないとは気づきません」と話す。

かつては製薬会社で働いていた水口代表。多くの薬を処方してもらったほうが利益にはなるものの、本当に社会のためになっているのか疑問を抱いていた。偽薬をうまく活用できれば医療費低減に繋がるのではと考え、会社を設立し、「プラセプラス」の販売を開始した。

「偽薬が本当に医療費低減に繋がるのか、実験的なものとして世に出してみました。ただ、認知度が上がっても、やはり医薬品ではありません。制度上、医療現場で取り扱ってもらうことが難しいのが課題ですね」

発売から6年。現状について、水口代表は「まだ利益が出る状況ではありません。今後は商品の改善を続けて売上を立て、より医療現場を視野に入れながら販売を継続できるよう基盤を作って行きたいです」と語った。

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