上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、夢真ホールディングスを取り上げます。
夢真HD社員の平均年収は355万円
最新データ(2020年3月期)によると、夢真ホールディングス社員の平均年間給与は355万7000円。前期から26万円あまり減っていますが、4期前とほぼ同水準です。
- 2016年9月期:356万5169円
- 2017年9月期:362万4604円
- 2018年9月期:365万3317円
- 2019年9月期:381万8000円
- 2020年9月期:355万7000円
この額には、賞与や基準外賃金(手当など)も含まれています。
企業口コミサイト「キャリコネ」へ投稿された給与明細によると、28歳男性エンジニアの年収は482万円。基本給が20万円、時間外手当が10万円。住宅手当が2万円に、家族手当が1万円です。
定期賞与は年2回で計50万円。残業が非常に多くてしんどいものの、「残業代で基本給の低さを補っている」ため残業せざるを得ない状況にあるといいます。
最近は福利厚生に力を入れており、企業サイトによると「夢真の技術者として3年頑張ればグアム、5年頑張ればハワイへの研修旅行」に行けるそうです。
2020年9月期より国際会計基準(IFRS)を適用しているので、単純には比較できませんが、売上収益は前期比11.7%増の586.7億円、営業利益は同36.4%増の53.1億円でした。
2021年9月期は売上収益が前期比4.0%増、営業利益は13.1%増と引き続き増収増益となる見込みです。
夢真HD社員の平均年齢は35歳
次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数(ともに単体)を見てみましょう。
夢真ホールディングス社員の平均年齢は35歳8ヶ月。ざっくり言うと、35歳で350万円くらいもらっている人が多いということでしょうか。
- 2016年9月期:3,546人(29歳6ヶ月・2年3ヶ月)
- 2017年9月期:4,667人(29歳11ヶ月・2年0ヶ月)
- 2018年9月期:5,514人(29歳4ヶ月・2年4ヶ月)
- 2019年9月期:6,465人(30歳9ヶ月・2年5ヶ月)
- 2020年9月期:64人(35歳8ヶ月・4年6ヶ月)
夢真ホールディングスは2019年9月期まで、中核事業である「建設技術者派遣事業」を兼ねた事業持株会社でした。
しかし2020年10月1日付けで、夢真へ建設技術者派遣および付随事業を小計する新設分割を行い、純粋持株会社に移行。これにより単体の従業員が100分の1に減っています。
グループ全体(連結)の従業員数は、2016年9月期の4,822人から2020年9月期の9,848人まで倍増。本体(単体)が占める割合は0.65%に過ぎませんが、前期までの実績を踏まえるとグループ全体の給与相場を反映しているといえそうです。
未経験者をイチから育てる研修も
夢真グループのセグメントは3つ。建築現場への施工管理技術者やCADオペレーターを派遣する「建設技術者派遣および付随事業」、製造・IT業界へのエンジニア派遣などの「エンジニア派遣および付随事業」、アジアの現地人材の日本語教育や採用支援などの「その他の事業」で構成されています。
セグメント売上収益は、建設技術者派遣が379億円、エンジニア派遣が199億円、その他が9.8億円。セグメント利益は、建設技術者派遣が65.9億円、エンジニア派遣が6.5億円。その他は2.4億円の赤字です。
キャリア採用サイトには「業界経験者」だけでなく、「中途未経験者」向けの建築プロジェクトのマネージメント業務、未経験者をイチから育てる「ITプログラミング・建築」研修もあります。
会社は今後も1000人単位での大量採用をしていく方針です。コロナ禍で業界や会社の行く末に不安を抱き、キャリアチェンジを望んでいる方には魅力的な職場となるかもしれません。
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