賃貸か、持ち家か――。キャリコネニュースが10月19日に掲載した「『一生賃貸ってどうですか?』で”持ち家論争”勃発」が、ネット上で話題になった。
「一生賃貸がいい」という女性と、「一戸建ての持ち家がいい」とする彼氏で意見が合わなかったという悩みをきっかけに、持ち家論争が勃発したという内容だ。台風被害の影響で、「賃貸がいいのかも」と考える人が多い印象で、いまどきは賃貸派が優勢なのか?と考えさせられた。5ちゃんねるでは複数のスレッドが立ち、約2万件の書き込みが寄せられた。(文:okei)
賃貸派「買ったら引き返せない」 賃貸がいいというより「住宅ローン」を敬遠
賃貸派からは台風被害を揶揄する失礼な書き込みもあったが、
「災害より、自治会とか町内会とか村社会に強制参加させられるのが最悪」
「まあ、買ったら引き返せないことは確かだな 独身、子無しは一生賃貸でいいね」
のほか、自分で修繕を手配する面倒がないなど、気楽さをあげる人が多い。
また賃貸派には、そもそも”高収入で家賃補助もあり、転勤族のため賃貸”という人と、”住宅を買うなど考えられないような低収入”という場合とで二極化している面もうかがえた。結局は「お金」の問題に帰っていくのだ。
それだけに、賃貸が良いというより「住宅ローン否定派」も目立った。建売をローンで買うのは愚か者のすることと言わんばかりのコメントも散見された。まあ、利息を考えると言いたいことはわかる。
「住宅を買うメリットは2つ、デメリットは4つ」という説も
参考までに、『図解・最新 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方』(山本元、大橋弘祐/文響社)を読んでみた。同書によると、住宅を購入したときのメリットは、「『自分のものになる』という精神的効用、家賃を払わずに済む」の2点。一方、デメリットは
・ローン(借金)を組むため、現金で買うよりも銀行の儲け分だけ損する
・自分のものになっても価値が残りづらい
・維持コストがかかる
・売ったり貸したりしづらい(すぐに現金に換えられない)
など4点も挙げている。「家賃がもったいない」だけで決めない!と強調し、これからの「若い人には賃貸のほうが無難なことが多い」と薦めていた。
住宅ローンは筆者も返済中だが、借りる前の知識が足りなかったと反省する。返済が始まってから知ったのだが、毎月返済額の内訳は、「利息」の割合が最初のうちはものすごく高い。毎月4分の3くらい利息で、ゆえに元金はなかなか減らない。これが、「銀行の利益」に当たるわけだ。繰り上げ返済をできるだけ早くしたほうが良いことは言うまでもない。
「不動産屋に賃貸物件の仲介を断られてたおじいさんを見たことある」
それでは、賃貸のほうがいいのか?と心が傾くだろうが、問題は「家賃を一生払い続けられるのか」という心配だ。話題になった元記事では、「URなど高齢者でも借りやすくなっている」という話が出ていたが、スレッドではこれを思い切り否定する声が相次いだ。
「老人でも賃貸余裕という幻想wどこにそんな物件あるのか、よく調べたほうがいいよ」
「不動産屋に賃貸物件の仲介を断られてたおじいさんを見たことある。ああなるくらいならとりあえず持ち家あった方がいい」
なかには、たとえ貸してもらえても「年取ってからしょぼい賃貸は寂しい」と訴える人もいる。
住宅ローンの金利に関しては、「バブル期の高金利ならいざしらず、今の時代は、金利1%未満で貸してくれて10年ないし13年間の税額控除のおまけまで付くんだから借りた方が得だろ」という反論も。正直、税額控除は筆者の場合得するほどではなかった。しかし、住宅ローンは空前の低金利で買うなら今だと考える人は多いだろう。筆者がローンを組んだ15年前でも2%ほどだった(固定)金利は、現在0.57%のところもあるというから驚く。
いずれにしても、人によって収入や地域、家族構成や勤務体制が違うので、各々で自分のライフスタイルと相談して決めるしかない。とはいえ結局、限られた収入の範囲で選択するしかないのがつらいところだ。