「自分はダメ人間」と思い込んでいる人にオススメ! 「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」 | キャリコネニュース
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「自分はダメ人間」と思い込んでいる人にオススメ! 「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」

『要領が良くないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』

『要領が良くないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』

「忘れ物、ミスが多い」「先送りしてしまう」「人間関係がつらい」などの悩みを抱え、職場で肩身の狭い思いをしている人。自分を「要領が悪くて仕事ができない人間」と決めつけている人。そんな人々に読んでいただきたいのが『要領が良くないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』(F太、小鳥遊 共著/サンクチュアリ出版)だ。

本書が教えてくれる仕事術は、いわゆる「他者より抜きん出て仕事ができるようになりたい人」向けではない。仕事をきちんとこなして「安心して会社に行けるようになりたい人」に向けて書かれた”優しい”一冊となっている。(文:篠原みつき)

「先送りして地雷化してしまう」問題を解決するには

要領がよくない(と思い込んでいる)人が陥りがちなのが「先送りして地雷化してしまう」という問題。本書によれば、先送りする原因は「慣れていない作業をするよりも慣れた作業をする方が、よっぽどラクで簡単だから」。慣れていないことに手を付けるとき、自分が頭で考えている以上に、身体は拒否反応を起こしているという。

そのため、仕事の基本として「手順書をつくる」ことを薦めている。単純なようだが、これをやっておくとゴチャゴチャしていた頭の中が整理され、やるべきことに集中できるようになるという。そのステップは、以下の5つ。

1)名前をつけて書き出す
2)タスクの手順を書く
3)「誰がやるべきなのか」を明確にする
4)タスクと手順に仮の締切りを入れる
5)最初の手順だけに注目する

単に仕事を書き出す、というやり方は、既にやっている人も多いだろう。しかし、実際に本書が薦めるポイントを押さえてやるとスケジュール感もつかめてくるし、できた順に少しずつ消していくことによって次にやるべき仕事に集中できる。抜け・漏れも格段に少なくなるし、上司から「あの件どうなった?」などと聞かれても、焦らず報告できるというわけだ。著者の一人、小鳥遊さんは

「終わらせることにとらわれ、プレッシャーで身動きが取れなくなるよりも、手を動かした分だけ仕事のスキルは格段にアップします」

と読者を励ましている。

このほかにも「集中力がない」「コミュニケーションが苦手」「メンタルが弱い」などと読者の抱える悩みごとにチャプター分けされ、見開きでパッと確認できるようになっている。”図鑑”なので、順番通りでなくとも、自分にとって必要なアドバイスから読んで行ってもいい。仕事術だけでなく、著者たちの失敗談・経験談が優しい語り口のコラムで綴られ、読みごたえと親しみやすさを感じられる。

「職場選びはただのくじ引き。ハズレだったらもう1回引き直せばいい」

特に共感を覚えたのが、共著者の一人、F太(えふた)さんが冒頭で、自身の「思い込み」について語る部分だ。就活がうまくいかず、バイトは「要領が悪い」と3か月でクビになったF太さんだが、別のコールセンターでは厳しい上司に育てられると、周囲の評価は「要領がいいね!」に変わったそうだ。最初の職場と次の職場で違ったものは「上司」だけ。”要領の良し悪しは、まわりの人間の評価で簡単に変わる”と気付いたというF太さんは

「職場選びはただのくじ引き。ハズレだったらもう1回引き直せばいい」

という開き直りができたという。「要領がよくない、は思い込み」であることに気付いたのだ。

もう一人の著者・小鳥遊(たかなし)さんは、発達障害の1つであるADHD(注意欠如・多動症)と診断された。かつては仕事の抜け・漏れや要領の悪さから自分を責め、うつや適応障害から休職や退職を繰り返していたそうだ。

そんな彼らの共通項は、自分の特性に合わせたタスク管理の方法を編み出すことで、一転して「仕事ができる人」という評価を受ける人材になったこと。現在は、本書タイトルと同名のイベントを継続開催するなど、自らを助けた仕事術を世に広める活動をしている。

新入社員や、転職・就活に尻込みしている人にお薦め

本書を読むと、”仕事をする”ということは、作業を覚えるだけでなく、段取りや手順、周囲とのコミュニケーションの取り方が重要であると分かる。だが、教えてもらえることはほとんどない。もちろん働いているうちに自然と身に付く人も多いが、失敗を恐れすぎてつぶれてしまう人もいる。本書はそれを防ぐのに大いに役立ちそうなノウハウがぎっしりと詰まっている本だ。

仕事に慣れず、しんどい思いをしている新入社員や、自信がなくて転職や就活に尻込みしている人に、読んで損はないとお薦めしたい一冊である。

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