離職率の増加や少子高齢化による人手不足が深刻化する昨今、多くの企業が福利厚生の充実を行い、社員の定着率向上に努めている。しかしながら、そうした企業とは真逆のブラック企業も存在する。
配送業をしている40代男性は、「人員不足の中、エリアが拡大されたので長時間残業が横行している」と嘆いた。男性の職場ではどのような問題が起こっているのだろうか。(文:中島雄太)
「人員不足なのに、エリアを広げられ、残業が増えた」
男性が働くのは、国内でも大手の宅配業者だ。最近ではEC専門の委託を雇っているため、社員の配達個数が減った。男性はこうした会社の内情について、
「会社としては社員の人数を減らしつつ、配達範囲を広げて個数を増やそうとしています。エリアが広がれば、集荷の範囲も同じように広がるので、1人に対する負荷は膨大なものになります。上司に無理だと言うも聞く耳を持たず、相手にもされません」
と明かしている。さらに男性の不満はそれだけではない。
「休憩時間は端末を閉める時に勝手に引かれますが、休憩を0時間とすると上司が本部から怒られる為休憩したことにされます」
と職場環境への不満をこぼした。さらに「休憩中は荷物を触るな」と言われているが、休憩時間には荷物の搬入があるため、休むわけにはいかないのが現状だ。
「連続1時間取らないと休憩したことにされず、そんなことしていたら仕事が終わりません」
結局、夜間の配達が増え、定時の21時までに終わることもできない毎日が続いている。「21時を過ぎると、荷物が残っていても帰ってくる様に指示をされますが、クレームが入ればドライバーのせいにされ、顧客対応までさせられます」と男性は嘆いた。
「乗客にセクハラをされたが、もみ消されてしまった」
30代女性は、以前働いていた某航空会社での客室乗務員時代の経験を語る。女性は乗務中に乗客からセクハラ被害に遭ったが、「『大ごとにしたくないから』と言われ、警察を呼ぶことも拒み、被害を受けた乗務員を守ろうともしてくれませんでした」と嘆く。
さらには、「被害に遭ったのは、あなたに非があるのでは?」と加害者である乗客の味方をする始末。飛行機という密室の中で、自分で警察に連絡をすることや外部との連絡も取れないという状況下、唯一頼れるはずの機長や上司すら当てにならず、女性は大きなストレスを抱えることになった。
「『乗客と揉めたくないから』という理由で、従業員に犯罪被害を我慢することを要求することに、会社の悪質なブラック体質であることが完全に露呈されました」
女性は「仕事自体は好きだった」と語るが、「自分を犠牲にして働き続ける必要はない」と考え、退職するに至った。
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