「ブラック企業擁護派」に若者世代が大反論 「経営者は契約を守れ」「価値観を押し付けるな」 | キャリコネニュース
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「ブラック企業擁護派」に若者世代が大反論 「経営者は契約を守れ」「価値観を押し付けるな」

キャリコネニュースが9月3日に配信した記事「ブラック企業批判に『社畜』の根強い反論」には、大きな反響があった。ニコニコニュースでは1300件以上のコメントがあり、ミクシィニュースでの話題数は2800件を超えた。

記事では、エステ大手「たかの友梨ビューティクリニック」をブラック企業と批判する声を取り上げながら、その一方で「今の人間は働かなさすぎる」「根性なしは辞めろ!」など、ブラック企業批判者に対する反論もあることを紹介している。

「まずその分の給料出せよ、話はそれからだ」

もっとも、キャリコネの記事に対するコメントのほとんどは、反論に対する再反論だ。ミクシィニュースで900件以上の「いいね!」を得ているのは、次のようなコメントである。

「自分が休み無しで働くのは勝手。しかしそれを他人に強要するのは法が許していない」

社長や上司が、自分が過去にハードワークをしてきたことを引き合いに出し、「おれの若い頃はこんなもんじゃなかった」「それに比べていまの若者は甘すぎる」などと言われた、という話はよく耳にする。

しかし、就業時間と給与は「雇用契約書」に明記されているのだから、それを守るのが当然のこと。それ以上働かせようと思えば、働いただけ残業代を払うのが当たり前だ。

それを「自分はタダ働きしてきたのだから、お前もやれ」というのは理不尽というしかない。ニコニコニュースにも、「経営者は契約を守れ」というコメントが相次いでいる。

「労働時間に対する対価は払うべきでしょう。契約なんだから」

「まずその分の給料出せよ、話はそれからだ」

「雇用契約は立派な契約だ。契約に背いた不当な労働は完全悪。その責任は経営者に全てある」

なお、ブラック企業批判の反論者のプロフィールを見ると、中小企業のオーナー経営者もいるようだ。そういう人は「雇われているだけありがたいと思え」と言いたいのかもしれないが、最初から契約を守るつもりがないのなら、早めに明かすべきだろう。

「終身雇用も定期昇給もあった時代」と一緒にするな

また、ニコニコニュースのコメントで目についたのは、「仕事はお金のためだけにするのではない」という考えに対する批判だ。趣味に熱心なニコニコユーザーにとって、仕事のためにプライベートが大きく犠牲になることは理解できないようだ。

松下幸之助氏を引き合いに出して「生活をする為に働く奴は所詮待遇面しかみない」と述べていた人の意見に対しては、

「仕事に対する考え方は人それぞれかもしれないけど、お金のためにするのではないという価値観は自分には理解できない」

「仕事はお金のためじゃないっていうなら、ただ働きでいいんじゃない?世の中金がなければ生きてけないって分からないのか」

という再反論があった。また、松下氏が活躍した高度成長期といまは、時代が全く違うから一緒に論じてもしようがないという人もいた。

「松下幸之助の時代のように従業員を本当に家族扱いしてくれるなら社畜でも救いがある。でも今の時代はそうじゃない」

「松下幸之助を出すなら、昔の終身雇用とほっといても上がる定期昇給もセットで言えよw社員守るから社員も無理出来たんだw」

確かに松下氏の時代には、非正規雇用もワーキングプアもない。ブラック企業の有力な定義として「苦労しても報われない会社」というものがあるが、「仕事がキツくたってそれ相当の対価があれば良いさ、それがないことが問題なんじゃないの?」という意見も多い。

「会社と社員は他人」が理解できるかどうか

ブラック企業との評判を一因として人手不足に陥った「すき家」のゼンショーでは、ワーカホリック状態になった人が部下に過重な労働を要求した背景に「過去の歪んだ成功体験」があったと問題を整理していた。

ブラック企業批判に対する反論コメントから同じような空気が感じ取った読者からも、こんな意見もあがっている。

「会社と社員は他人。互いに理屈なんぞ聞く必要はない。互いの都合が利用できるかの利害関係のくせに批判なんて片腹痛い」

「こういう『人』を大切にしない会社って、そのうちどっかでツケが回ってきてどうしようも無くなるんじゃないかと思う」

「首輪足鎖自慢の奴隷の公開オナニーは止めてほしいね。自分一人で酔ってるなら良いけどさ、周りを巻き込むの止めろや」

平成時代の若者は昭和に比べて軟弱だ、という意見に対しても、「みんなで楽になるために昭和の人間は頑張ってきたのにな。これじゃ本末転倒だ」とつぶやく人も。ただ、過去の成功体験は日々美化されがちだ。これを止めるのは難しいのかもしれない。

あわせて読みたい:エステ業界は「ブラック」だらけ

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