小中高大学と慶應に入れず早稲田に行った30代男性の後悔 | キャリコネニュース
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小中高大学と慶應に入れず早稲田に行った30代男性の後悔

慶應画像

慶應がそんなにいい?

有名大を卒業したら「モテる」「就職できる」などと、もてはやされたのは昔のこと? 今や有名大卒の肩書が役に立つのは新卒採用のときぐらい。モテるとは限らないし、仕事ができなきゃ容赦なくクビになる時代になった。

それでも「この大学に行きたい!」というケースはある。キャリコネニュース編集部に、小学校受験・中学校受験・大学受験と、慶應義塾を志願し続けたという30代男性から経験談が届いた。男性は「受験日に発熱するなどして、最後まで夢叶わず、最終的に大学は早稲田へ進んだ」と話すが、長きに渡り慶應に執着し続けた理由とは何だったのだろう。詳しく話を聞いた。

運が悪すぎ? 落ち続けた理由とは……

まず、小学校受験で慶應幼稚舎を受験しました。しかし、受験当日に39度の発熱。不合格に終わりました。

中学受験では慶應三校と滑り止めを受験しました。しかしまたしても、受験前日から38度の発熱。受験校はすべて受けきりましたが、第4志望以降しか合格せず、一貫校に進学しました。

大学受験は、浪人が許されない経済的な事情により、一般受験から指定校推薦へと路線変更しましたが、上位獲得者が慶應の推薦を提出しており、私は最後まで夢叶わず早稲田へ進みました。

しかし、その慶應志願者は、不祥事を起こしその後推薦破棄。リプレイスを直談判しましたが、叶いませんでした。 一般受験に間に合わせられなかった自分が悪いのですが、悔やまれる学生生活です。

――小学校~大学まで慶應入学を志願されていた理由や、きっかけはなんだったのでしょう?

両親がいわゆるFラン大学出身だったため、一人息子の私にはなんとか良い学校に進んでほしいと、いろいろな習い事をさせてくれたのがきっかけです。自分の意思としても、小学校の親友が慶應に進んで、充実した学校生活を送っていたのを見て、「私も大学受験でまた慶應に挑戦したい」と思っていました。

しかし、中学時代に両親が離婚し、シングルマザーの家庭となったため、経済的な理由で「浪人はしない」と決めました。国公立に行ければ良かったのですが、部活との両立・科目数など不安点が多く、推薦に切り替えたのです。大学進学を優先し、部活も高校2年で退部しました。結果、成績は急伸しました。

――なるほど……。ちなみに、慶應大学では、どの学科・学部を希望されていましたか? また、当時卒業後のビジョンも描かれていたのでしょうか。

希望は、経済学部と商学部でした。慶應大学卒業後の明確なビジョンはありませんでしたが、「経済に強い慶應を出て、何か自分のビジネスを立ち上げたい」と漠然と考えていました。

私を母子家庭で育ててくれた母が、地方のとある島で会社経営をしていたことも影響しています。自分を一人で育ててくれた母親に対する畏れと敬愛が、私のモチベーションでした。

――慶應受験には、お母様に恩返ししたいという想いもあったんですね。大学は推薦で早稲田へ入学されたとのことですが、早稲田大学でのキャンパスライフはいかがでしたか?

学業とサークル活動の文武両道を掲げ、大学の授業は、就活を除いて、4年間無遅刻無欠席で通いました。サークル活動では、ストリートダンスの全国大会で入賞したり、家庭教師やビラ配り、コーヒーショップなどさまざまなアルバイトを経験したり、学業に勤しんだりと、非常に充実してはいましたが、やはり慶應への劣等感を拭いきれることはありませんでしたね。

また、当時同級生に二浪・三浪している人はたくさんいて、非常に驚きました。彼らは浪人中、親に学費も生活費も出してもらっていたそうです。一方、私はバイト代をすべて家に入れて、お小遣いで返してもらうという生活をしていました。

――学校受験には、家庭の経済事情は大きく関係しますからね……。もし、家庭の事情を気にせず、学生時代をやり直せるとしたら、やはり慶應へ入学したいと思いますか?

社会人になってから、国公立出身者の優秀さに驚かされました。今では「慶應より旧帝大国公立のほうが良い」と思うようになりました。学費の面で見ても親孝行ですし。

慶應をはじめとした小中高大一貫校のメリットは、勉強だけでなく、スポーツや趣味など、好きなことに打ち込み続けられる環境ですよね。「慶應幼稚舎に入れたから将来安泰」というわけではなく、そこでの過ごし方が大事だと思います。

――お子さんには良い大学へ進んでもらいたいと思いますか?

そうですね。慶應や国公立への夢は、子供に託そうと思っています。学歴とは、人生を走りやすくする、自転車の補助輪のようなものだと思っているんです。ないよりはあった方がいい。

もちろん、やりたいことや学びたいものが特別にあれば、それを突き詰めればいいと思います。でも、もしそうでないのなら、とりあえず勉強を頑張っておけば、将来食いっぱぐれることはないのかなと思っています。

――

自営業で成功している友人の話を例に挙げて「自分にはそんな資金力もバイタリティもないと決めつけてしまっていたので、攻めきれず、無難な結果になってしまいました」と自虐気味に語っていた男性だが、聞けば現在は商社勤務で年収1200万円とのこと。

まさに人生、沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり。必ずしも思い通りにいかなくても、真面目に努力をしていればそのうち良いことがあるものなのかもしれない。

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