「生謝罪」後も依然として収まる気配のない、SMAPの解散騒動。「造反組」の4人が芸能活動を一時自粛させられるとも伝えられているが、ネットではこうした動きを「ブラック企業を辞められない社畜」と重ねあわせる見方が相次いでいる。
1月19日付けのスポーツ報知は、SMAPは18日の「SMAP×SMAP」での生謝罪を受けて「存続決定」と報道。一方で、事務所を離れようとしたリーダーの中居正広さん含む木村拓哉さん以外の4人に関しては、一定期間活動を自粛する可能性があるという。
まるで「ブラック企業を辞めようとして失敗したサラリーマン」のよう
記事には「テレビ局関係者」なる人物が登場しており、
「『裏切り行為』があったわけだから、何らかのペナルティーがないと、木村さんや他のタレントに示しがつかない」
とコメント。事務所を離れようとしたタレントは、ある種の見せしめとして罰を課されるのが当然ということだ。すでに「公開処刑」に等しい生謝罪は済ませているものの、それでは収まらないらしい。
独立や転職しようとする人を「裏切り者」とみなし、徹底的にいたぶるのはブラック企業でも同じだ。辞めようとすると何かと理由をつけて懲戒解雇処分にし、簡単に転職できないようにする会社もある。
そのためツイッター上では、生謝罪からの一連の流れを見てSMAPは「ブラック企業を辞めようとして失敗したサラリーマンそのもの」という見方が多数出た。
「結局国民的アイドルも社畜と言う事が分かる今回のSMAP解散のゴタゴタ。」
「朝から会社で上司とか先輩と『ただの人質だった』『俺らなんかよりよっぽど社畜だよ』『とんだブラック企業だ』『もうSMAPを解放してあげたい…』って仕事の話より真剣なミーティングになってる」
25年も貢献し続けたのに「足抜け女郎扱い」とは
また、一人だけ当初から残留を決めていた木村拓哉さんは、「辞めようにも妻子がいるのでできなかった」という説がある。こうした点についても「社会人ではよくあること」と同情する声が出ていた。
一方で、事務所側の視点に立つと、芸能界では、そのタレントが売れて採算が取れるようになるまでに育成費や宣伝費など莫大な投資をしなければならない。そのため、そう安々と逃げられては困る、ということなのだろう。
ただ、百歩譲ってそのルールが正しいとしても相手はSMAPだ。今年でデビュー25周年。「週刊新潮」によると、ファンクラブ会員数は約100万人にものぼる。
コンサートやCD、CMなどの売上は、2014年分だけでも約220億円になり、投資費用は十分以上に回収できたはずだ。この点についてコラムニストの小田嶋隆氏は、こんな表現で揶揄している。
「吉原でさえ10年つとめれば年季が明ける(編注:年季奉公の期限が終わる)というのに25年たっても(同:逃げ出そうとして折檻される)足抜け女郎扱いですかそうですか」
いったんは他の事務所に移籍するはずだったという話も
「週刊新潮」1月21日発売号では、メリー喜多川副社長のインタビュー記事を掲載。それによると、木村さん除く4人は昨年、大手芸能事務所の田辺エージェンシーに移籍するという話があった。しかし12月になって、4人はジャニーズ事務所に戻ることになった。
メリー副社長は4人を受け入れるつもりだったが、その後、「誰も挨拶に来なかった。これははっきりとさせておきます」と語っている。結局、中居さんサイドから謝罪があったのは1月17日になってからだったという。
つまり、事務所に残るなら残るで、経営者に挨拶するのがスジということらしい。ただ、ネットでは「だからって公開処刑が許されるわけじゃないよね」「今年のブラック企業大賞はジャニーズで決まりだな」といった声が挙がっていた。
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