賃上げのため「労働組合を作るアニメ」を制作してオタクを動かせ! 匿名ブログの提案が話題に
若い世代の賃金が一向に増える気配がない。昭和のころは、多くの企業で労働組合が結成され、賃上げのためにたびたびストが実施されていたが、雇用形態が多様化した現在では、みんなで一致団結して企業に対抗する、ということも難しい。
そうした中、11月6日、はてな匿名ダイアリーに「労働組合のアニメをつくれ」という投稿が寄せられ、話題になっている。
「ハルヒという女の子が『マルクス団』という組合を結成。それに付き従うキョン」
投稿者は、企業の内部留保が4年連続で過去最高を記録したという報道を紹介。だが、企業がお金をたくさん持っていても、そこで働く人の賃金は上がらない。その理由を
「労働組合が弱い( or ない)せいで、労働者がストをしないからだ」
だと指摘する。
厚労省の資料によると、労働組合の数は、バブル景気後期の91年には約33000だったが、2015年には約25000まで減少。ストが行われた件数にいたっては、70年代には年間9000件以上行われていたが、2015年にはわずか86件と大幅に減っている。
投稿者は、ネット上で見つけた「労働組合を作らないでアニメばかり見ている世代は、ストをした体験もないし、見たこともあるまい」というコメントを紹介。昔の労働者は「労組を作り、ストを続発させて、高賃金をむしり取った」という。
その上で、投稿者は若い世代の労働組合結成を促すために、労働組合をテーマにしたアニメの製作と提案。そのストーリーは、
「ハルヒという滅茶苦茶な女の子が勝手にリーダーシップを発揮して、マルクス団という団体を結成して、労働組合の設立に突っ走る。それに付き従うキョンというオタク男性は、わけがわからないまま振り回されるが、いつのまにか労働組合を作ってしまう。すると日本が大変動を起こして、世界の構造が一変する」
という感じで、「涼宮ハルヒの憂鬱」の発展形と考えればよさそうだ。投稿者は、そのアニメに触発されたオタク男性が、自分たちでも労組を作るようになれば、賃金が上昇して日本経済は正常化、これで万事が解決する、と意気込んでいる。
「クラウドファンディングのチャンス」「面白い」など賛同者続々
ブログには「たしかに、世の中を変えるためにおもしろい作品を作るっていうのは有効な手だなー」「ネタなんだろうけど、筋は悪くないと思う」「天才かよ」など、投稿者の提案に賛同する書き込みが多く見られた。
タイトル案としては「ゆにおん!」「れんごう!」「そうれん!」「マルクスの憂鬱」「放課後ティータイム組合」といったものが出て盛り上げりを見せている。
一方で中には、「所詮アニメは虚構だ」という意見もあったが、これに投稿者は、「実現性のある話なら、真似する人はいっぱい出てくるよ」と反論。
「巨人の星 → 野球をする人が続出
サインはV → バレーボールをする人が続出
エースを狙え → テニスをする人が続出
キャプテン翼 → サッカーをする人が続出
スラムダンク → バスケをする人が続出」
といった、過去のアニメ作品が世の中に与えた事例を紹介した。2000年代以降も、「けいおん!」のブームで楽器を始める人が出たり、「ちはやふる」の影響で競技かるたの大会に参加する若者が増加したりなど、やはりアニメや漫画の影響はバカにできないことがうかがえる。
ネットでは今回のアイデアに対し、「あ、これ絶対当たるやつじゃん。クラウドファンディングのチャンスだね」という書き込みも。賛同者からお金を集め、労働組合を作るアニメが作られたら、働く環境はどのように変わるのだろうか。
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