子育て世帯にとって大きな負担となるのが教育費だ。公立校ではなく私立校に進学する場合は、さらに出費がかさむ。世帯年収1000万円から1200万円は、子どもの教育費に関する支援に所得制限がかかってしまう世帯。平均以上の年収でも、教育費を考えると余裕があるとは言えないようだ。キャリコネニュースには、
「子どもの教育費に最大限お金をかけている。日々の生活で余裕は実感できない」(新潟県/50代前半/男性/既婚子ども1人/マスコミ系/正社員/世帯年収1100万円)
「『平均よりは上』と言われる年収だが、保育料や税金など支出も多い。奨学金返済などもあるので、ぜんぜん楽じゃありません」(大阪府400代前半/女性/既婚子ども2人/その他/契約社員/世帯年収1200万円)
といった声が寄せられている。(文:コティマム)
「年収1000万円くらいが一番恩恵を受けていない気がします」
都内の40代女性はサービス系企業の正社員勤務で、自身の年収は600万円。手取り年収は450万円ほどで、夫婦合わせて世帯年収は1200万円だ。しかし、子ども2人の学費捻出に頭を抱えている。
「まったく生活に余裕がなく、カツカツ。 共働きのため税金もガッツリ引かれる。 私立の授業料と塾代は私が払っているため、余裕はない。高校無償化対象外のため、下の子が私立に入ったら毎月赤字になる。税率が高い世帯なのに、国からの恩恵は何も受けられない」
神奈川県の40代男性は、子どもが3人。世帯年収1200万円だが、「都内で子ども3人が中学受験する場合、とても余裕のある生活はできません」と語る。
「特に高校無償化や児童手当の所得制限を考えると、年収1000万円くらいが一番恩恵を受けていない気がします。40代ですが、教育資金と住宅ローンで老後の貯蓄まで手が回らない状況です」
世帯年収だけで見ると相当稼いでいる世帯に思えるが、子どもの学費を捻出するとなると、余裕ある生活の維持は難しくなる。男性は「裕福なわけではない。普段の生活も家族での外食はほとんどなく、衣類のほとんどはユニクロです」とこぼしている。
年収1100万円の3人の子持ち男性「妻に働いてもらわないと老後は貧困に陥る」
世帯収入1100万円の栃木県の男性には、10歳、7歳、4歳の子どもがいる。残業120時間超えの多忙な生活を送っているため、専業主婦の妻が3人の子どもたちの面倒を見ている。男性は「子どもの将来のために教育は必須と考えています。努力しないと高収入は得られないからです。そのため習い事、塾にお金がかかっています」と語る。
しかし、男性の世帯年収は高校無償化の対象外。児童手当も減額対象なので、子ども1人につき特例給付の月5000円が支給されているだけだ。さらに2022年10月からは「夫婦のうち高い方の年収が1200万円程度を上回る世帯」の場合、特例給付も廃止される。
男性は「子どもたちは医者や技術者を目指しています。そのために費用もかかるのに、特例給付ももらえなくなる日がくるなんて……。国は優秀な人材を育てようという気はないのでしょうか?少子化対策に逆行しているように思えます」と憤る。
「年収1000万円超というと裕福に思われるかもしれませんが、税金が高額なうえ、3人の教育費をすべて捻出しなければなりません。節約する日々です。もう少し子どもが大きくなったら妻に働いてもらわないと、老後は貧困に陥ります」
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