男性は営業マンとして、毎日忙しく働きながら、日々の仕事にやりがいを感じていた。しかし次第に心苦しさを感じるようになったと語る。
「毎日業務の終了時に営業報告をしますが、営業成績が振るわないと明日から会社に来るか、辞めるか叱責される毎日でした」
男性はノルマを達成するためにも必死で働いたが、「毎日契約が取れるわけでもなく、罵倒される日々が増えた」と辛い日々を振り返る。
「ときには胸ぐらを掴まれて怒鳴られることもありました。『気に入らないから帰れ』と言われることもあったし、自分よりも営業成績が不振な人がいても、罵倒されるのはいつも自分でした」
そんな日々を脱するために、男性は夜10時以降にタイムカードを押してから、一人で物件のチラシ配りを始めた。
「部数も数千枚あったので、配り終えるのが深夜になることもしょっちゅうでした。 土日の現地販売の前にやるので、飲んで遅く帰ってくる人に不審者扱いされることもありました。 警察にも職質されるんじゃないかって、本当に怖かったですよ」
上司はチラシ配りをせずに帰るため、「終わったら報告しろ」と言われても連絡がつかず、男性は悶々としながらチラシ配りを続けた。
出社時に吐き気を催し、「辞めます!」と即答
男性が真面目にチラシ配りを終えた翌日、上司は「ずいぶんかかったな。捨ててないだろうな」と衝撃の一言を言い放つ。男性はこの一言にさらに不満を募らせるが、退職を踏み切れずにいた。
「なんか違うなって入社してすぐに思いましたが、『家族のために頑張れ』とか、『このままじゃどこへ行っても駄目だ』と言われていたので、辞めるわけにはいかないと考えていました」
このような日々が続き、男性は出社時に吐き気を催すようになってしまった。そんなある日の晩、男性は上司から「明日は来るのか、辞めるのか」と聞かれ、「辞めます!と即答しました。そしてそのまま退職。気が楽になりました」。その後は吐き気もなくなり、体調も良くなった男性は、現在は別の会社で活躍している。
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