連合は6月28日、「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2021」の結果を発表した。調査は6月上旬にネット上で実施し、20~59歳の有職男女1000人から回答を得た。
自身の職場で行われている”ハラスメントの内容・方針の明確化、周知・啓発”について聞いたところ、「とくになし」と回答したケースが、パワハラ(40.0%)、セクハラ(41.4%)、マタハラ(44.6%)、ケアハラ(45.1%)のいずれでも最も多かった。
また、「わからない」という回答も目立った(パ:29.1%。セ:31.5%、マ:36.8%、ケ:38.1%)。
どんなことがハラスメントになるのかや、ハラスメント行為を禁止・防止する方針、行為者への対処方法などを示すことについて、具体的な取り組みがなかったり、従業員に知られていなかったりするケースは少なくないようだ。
相談体制「整備されている」5%にとどまる
「ハラスメントの内容が明確化されている」「ハラスメント禁止の方針がある」といった声は6~18%ほど。「ハラスメント防止の方針がある」「ハラスメントを行った者への対処方針・対処の内容を規定」といった声はさらに少なく、2~6%ほどだった。
また、ハラスメントの相談窓口が「設置されている」(パ:20.7%、セ:19.2%、マ:13.2%、ケ:11.7%)職場は最大2割ほど。相談窓口が「周知されている」はいずれも15%に満たず、担当者が相談に適切に対応できる体制が「整備されている」と答えた人はいずれも4~5%前後しかなかった。
自身の職場で”ハラスメントが起きた際の対応”として行われていることを聞いたところ、いずれのハラスメントでも「とくになし」(パ:38.0%、セ:38.6%、マ:39.0%、ケ:39.9%)が最多だった。
パワハラ被害の最多は「脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言などの精神的な攻撃」
「職場でハラスメントを受けたことがある」と答えた人は32.4%でおよそ3人に1人の割合だった。性・年代別にみると、「40代男性」(42.4%)が特に多く、次いで「30代女性」「50代女性」(各35.2%)、「40代女性」(34.4%)と続いた。19年に実施した調査結果と比較すると、全体では5.1ポイントのマイナスだった。
次に受けたことのあるハラスメントを聞くと、最多は「パワハラ」(27.6%)で、次いで「セクハラ」(8.5%)、「ジェンダー・ハラスメント」(4.5%)、「新型コロナウイルス感染症に関するハラスメント」(3.1%)、「性的指向、性自認に関するハラスメント」(2.2%)、「ケアハラ」(2.1%)などと続いた。
職場でパワハラを受けたことがある人に、どのような行為を受けたのかを聞くと、最多は「脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言などの精神的な攻撃」(43.8%)だった。一方、セクハラでは「性的な冗談やからかい」(44.7%)という回答が、男女問わず最多かった。