「工場長以外、死んだような目をしていました」20代男性の激烈ブラック企業体験談 | キャリコネニュース
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「工場長以外、死んだような目をしていました」20代男性の激烈ブラック企業体験談

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「地方ですが地元ではかなり大きな工場で、そこに入社できれば将来安泰とまで言われていました」

こう語るのは、新潟県に住む20代後半の男性(技能工・設備・交通・運輸)だ。現在、年収600万円と地方の20代としては好待遇で働いているが、「以前働いていた工場がブラックでした」と驚きの経験談を打ち明けた。男性はその工場を「入社してわずか3か月」で退職したという。一体何があったのか。

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配属直後に「まだ若いんだから次がある、ここは辞めておいた方が良い」

「たまたま私が転職活動中に増員による求人が行われ」入社できたという男性。

「将来安泰とまで言われた工場なので、提示された労働条件も良いし、非常に働きやすい環境なんだろうな、と当時は希望に満ちていました」

しかしいざ入社してみると、その考えが間違いだったと思い知った。入社初日、配属される部署に案内され、工場長や社員に紹介された男性。しかし……

「明らかに工場長以外、顔色がとても悪く死んだような目をしていました。 目の下にクマがある人がほとんどでした。 作業環境もなんだか空気が悪く薄暗かったのを覚えています」

その後、男性は教育係となった班長から驚きの内情を告げられる。

「『まだ若いんだから次がある、ここは辞めておいた方が良い』と突然言われました。理由を聞くと先程会った工場長が1年ほど前に昇格して工場長になったようなのですが、この人になってから無理難題を社員に押し付けるようになり、かなりの人数が辞めて行っているそう。精神を病んだ人も何人もいると言われました」

しかし、当時は「優良企業」というイメージしかなかった男性は 「またまたそんなことある訳ない」 と笑って受け流した。そして研修はスタートしたのだが……

「教えてくれる人全員がとても時間に追われているようで、少し教えたらすぐにどこかに行ってしまい1時間ほど放置されるという事が続きました。本来その日に数時間行わなければならない教育がトータルで1時間も見てもらえていないような状態でした」

と教育もままならないほど社員が追い立てられる現場だった。

怒鳴られ機械を蹴り倒されても「これはパワハラじゃないから」

そんな状態で教育期間が終了。正式に業務を行う事になったものの、ほとんど放置されていた新人は当然不安しかない。「先輩達は自分のことで手一杯で助けてもくれない」うえに、基礎も教えられていないので、仕事を振られてもわからなかったという。

「そんな私に先輩はイラつき 『お前この仕事向いてないから辞めた方が良いよ』と怒鳴られました。(中略)さすがにカチンときて、基礎をしっかり教わっていないことを伝えると突然向こうがヒートアップし、『そんなのは言い訳だ!』と怒鳴りながら機械を蹴り倒してました」

「その剣幕を聞きつけた周りが仲裁に入ってくれ落ち着きましたが、周りからは 『今仕事が忙しいからあまり周りの人に聞かないでくれ、あとあの人(機械を蹴り倒した先輩)はああいう人だから我慢して、これはパワハラじゃないから』と言われ、もう意味がわかりませんでした」

男性は、「なぜ聞いてはいけないのか? なぜ私が我慢しなければならないのか?そもそも悪い事をしたのか?パワハラかどうかをなぜそちらが決めるのか?と色んな疑問が湧きました」と当時の葛藤を振り返った。

工場長に直訴するも「社員にモチベーションなんて必要ないよね?」

そんな事が毎日のようにあり、男性以外の新人数十人も似たような状況で「どんどん精神を病んで」いったという。困り果てた男性は、新人数人と工場長に今の状況を説明し、改善を求めた。

「このままでは仕事のモチベーションなど到底持つ事が出来ないという話をすると、工場長から『社員にモチベーションなんて必要ないよね?だってこの労働条件に納得した上で入社するという契約を会社と結んだんだからその契約を遂行するのが当然だよね?』と言われました。これを聞いた時にこの人がこの工場をダメにしてると悟り、班長が言っていたことの意味がわかりました」

衝撃を受けた男性は、工場長が「『契約』という言葉で全てを押し切り、社員に無理をさせて」いたこと、「私に教育してくれていた先輩たちも、本当に業務に追われすぎて時間を割けなかった」ことを悟った。さらに、

「聞く所によると仕事の受注数は数年で倍近くになっていましたが、社員の数は3割ほど減ったようです。そんな状態ではまともな教育もできないと納得しました。全員が朝8時から夜23時頃まで働いていました」

と会社自体がまったく無理な人員配置をしていたのだった。男性は「こんな所にいたらおかしくなってしまうと思い、すぐに退職届を提出しました」と綴る。退職の際も工場長から「無駄な時間を取らせてくれたな」と嫌味を言われたというが、男性は

「今は別の会社で普通に働けています。 我慢せずに退職を決意して本当によかったと思います」

と確信に満ちた様子で綴った。

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