男性は、「2年2か月間福祉施設で仕事」をしていたという。当時の職場について、
「2年間は通所施設でゆっくり仕事できてたんですが、(最後の)2か月間は地獄でした」
と明かす。通所施設は自宅から通ってくる利用者の対応をするところ。昼間なのでスタッフも比較的多めだ。ところが、あるとき
「入所施設に異動し、そこの職場はブラックでした」
と環境が一変した。時間になれば利用者が帰る通所と違い、入所施設は24時間、利用者を見守らなくてはならない。仕事が忙しくなった一番の原因は、「スタッフの数が少ない」ことにあった。
「夜勤が始まったんですが、スタッフ2人体制で60人の利用者を見ないといけません。途中休憩はありますが、休憩なんてしてる場合じゃないです」
「利用者に何があるか分かりませんし、なにしろゆっくりできません。ケース記録も入力しないといけません」
夜勤で眠いだけでなく、命を預かる責任も重大な仕事。男性は、あまりにも切羽詰まった状況に「頭がクラクラします」と忙殺ぶりを振り返っていた。