女性はその介護施設を時短パートで契約した。だがそこは
「入社したときは社員もそれなりにいたが、横領があったり、休憩に行ったきり戻ってこなかったり、いろいろありいきなり半分が解雇。派遣契約したと思えばすぐに来なくなることも珍しくない」
と従業員が次々に去っていく職場だった。「残ったメンバーで回り始めたと思ったら、リーダーが脳腫瘍で倒れ……いきなりリーダー不在。社員一人と私のみ。ブランクがある社員は業務に不安を感じると漏らし、いつの間にか私がリーダー代理」と、パートでありながら責任ある立場になってしまった。
「その残った社員の顔色を疑う日々」だったと振り返るが、なんとその社員は「私が倒れる前に」と逃げるように辞めてしまった。女性は
「6時から22時まで働きながら、家のことも最低限する毎日。今では社員1人増えたが、毎月260時間を超える労働時間」
と時短どころか1日16時間拘束で、パートとは思えない長時間労働を強いられている。そのうえリーダー代理として会議に参加すると「土俵違い」と言われてしまう。女性は「だけど何でもやらされる毎日」とジレンマを抱えながら、今もその会社で介護の仕事を続けている。