女性は「販売の経験者だったこともあり店長候補で入社」した。お店のスタッフや会社の本部も「ものすごく良い方ばかりでした」というが、問題は社長の妻である副社長だった。「家具より目立つなんて」と怒鳴られたが、
「私は事前に聞いていた通りモノトーンでシンプルな服装ということで、白のシンプルなブラウスにグレーのスキニーパンツでした。メイクもナチュラルで、髪はちょっと明るいものの規定内で、ごく普通のストレートボブでした」
と叱責されるような恰好ではなかった。その後をこう回想する。
「それからは副社長が私の出勤日には必ず少しでもお店に来る様になり、他のスタッフさんが皆『異例のこと』『ちょっとおかしい…』と話していて、私のことをかばってくれたりとても心配してくれました」
「私は小柄で、当時は食べても太らない体質で大食いなのにかなり痩せていました。顔立ちがぱっと見で目立つと言われることがあり、他のスタッフさんたちから『かわいらしいから勝手に妬まれてるのかも…』と心配されていました」
ようするに美人が攻撃のターゲットにされたわけだが、副社長の厳しい態度は周囲が不審がるほどだったようだ。その理不尽な攻撃は一向に収まる気配がなく、あるとき決定的なことが起こる。【後編へ続く】