近年、就職先として学生に人気のコンサル業界。数百人規模で大量採用する企業もあるので、出身学部関係なく受けてみようと思っている学生は多そうだが、実際のところコンサルは文系、理系どちらのほうが向いているのか。
ロジカルさが求められるから理系学生のほうが有利? とも思ってしまうが、実際のところどうなのか。グローバル系コンサルファームで働くブロガー、外資系うさぎのちょこさんに解説してもらった。
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コンサルファームは優秀な理系学生を求めている…なんてイメージ、ありますよね。コンサルの仕事って、最新テクノロジーの活用、データの分析、ロジカルシンキングを駆使した施策の立案、など、なんとなく理系っぽいと思うようなスキルが求められることはたしかです。
大手ファームの新卒採用ページでも、従来のビジネスコンサルタント職やテクノロジーコンサルタント職に加え、デジタルコンサルタント職やデータサイエンティスト職など、”いかにも”な職種が並んでいることも珍しくなくなってきました。
実際のところ、理系学生や出身者の方がコンサル就職に有利なの?文系だと厳しい?と言われると、「別にそういうわけでもない」が回答になります。今日はそのあたりのよくある誤解について解説していきたいと思います。
仮説検証型の仕事は理系“っぽい”?
コンサルの仕事の大きな特徴として、仮説思考/仮説検証型のスタイルでプロジェクトを進めることが挙げられます。最初にプロジェクトのテーマに対してゴールの仮説を立て、ファクトを収集/分析し、その仮説の真偽を検証する、そして新たな仮説を立て……と繰り返しながら結論に辿り着く、そんな仕事の進め方ですね。
コンサルファームの採用選考ではケース面接が行われることもあります。「〇〇の売上を伸ばすにはどうすればいい?」といった課題がその場で与えられ、一定時間内に解決策を用意して面接官に説明する、というものです。応募者が仮説思考のスタイルを身に着けているか、それを駆使し端的でわかりやすい回答ができるか、を面接官は見ています。
こういったスキルを養う機会が理系学部では文系学部より多く得られる、と言えることはあると思います。
自然科学系や情報系の実験なんかをイメージしていただくとわかりやすいと思いますが、実験の計画を立て、実行し、結果を振り返り、レポートにまとめる、という一連の流れこそがまさに仮説検証そのものなんですよね。
特に理系院生なんて日々この仮説検証とPDCAのサイクルをひたすら繰り返すわけです。その結果、コンサルタントとしての素養をとても高いレベルで身につけることができた、という人も多いんじゃないかと思います。
じゃあ結局、理系じゃないとダメなの?って思ってしまうかもしれませんが、そんなことはありません。
自分の頭で考えるスキルを持っているかどうか
たしかに、傾向として理系分野の方がコンサルの仕事に必要な考え方の基礎を身につける機会が多いと思います。でもこれは、理系/文系として何を学んだのかの違いではなく、何かを学ぶ過程でどのような考え方を身に着けたのか、という話に他なりません。それがたまたま、理系分野だとわかりやすい形でそのような機会が多い、というだけです。
文系分野でも、仮説検証型で取り組む課題はたくさんあるでしょうし、PREP法(結論⇨理由⇨例⇨結論)の構造に基づいた端的でわかりやすいレポートを書かなければいけない機会も多いと思います。
物事について調べ、考え、アウトプットする、ということそのものの流れは、理系でも文系でも変わりませんからね。
日頃からそのような考え方で過ごすことができれば、理系だからヨシ、文系だからダメ、なんてことにはなりません。コンサル業界を目指す方はぜひ日常の中でもこの仮説思考、仮説検証というスタイルを取り入れ、コンサルタントとしての素養を養っていってください。
ではまた次回!
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外資系うさぎのちょこさん
職業:プロの転職家、外資系渡り兎。現在は某グローバル総合系コンサルファームのシニアマネージャ。 コンサル業界ネタを中心に、若手ビジネスパーソン、就活生、転職活動中の各位向けの有益な情報を呟いたり有益なnoteを書いたりしています。フォローすると有益になれます。
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