最近はデニムを履いて仕事をしている人は珍しくないだろう。ところが30代後半の男性は、あるとき上司から、
「デニムパンツを職場に履いちゃダメだって。常識じゃない?」
と注意されてしまった。履いてはいけない理由を聞き返したら「わからないけど常識であるじゃん」とのこと。
「何十年も前のよくわからない常識の中で働くのか……と暗澹な気持ちになりました」
そんな投稿をしてくれた男性は、その後、職場でどうしているのだろうか。それともデニムパンツを履ける会社に転職したのだろうか。編集部は男性に取材を申し込んだ。
「東京と同じ感覚でデニムパンツを履いて出社しました」
すると、男性は現在も同じ会社で働いていることがわかった。勤務先は地方のメーカーで、デザイン業務に携わっているそうだ。
「工場で働く人たちには、会社が支給する作業着をユニフォームとして着用するという規則がありますが、私の部署には服装の規則がありません。以前、東京の会社で10年ほど働いていたときはデニムも履いていたので、東京と同じ感覚でデニムパンツを履いて出社しました」
ネットの書き込みを見ると、オフィスカジュアルの職場でもデニムパンツはNGという会社もあるようだ。また、営業ではデニムNGでも、男性のようにクライアントと直接やりとりすることが少ないデザイン系の職種ではOKなところも。職種にもよるようだが、結局のところは、会社や上司の判断になるのだろう。
男性の場合も会社でデニムパンツを禁止しているのではなく、上司の「常識」でNGにされたに過ぎない。そのときのやり取りは冒頭で紹介した通りだ。
「あれは今から7年ほど前、転職して少し経った頃でした。注意してきたのは50代の部長です。部長は工場に行くこともある関係でいつもユニフォームを着ています。『私の若い頃は~、昔はこうだった~』が口癖で、転職経験はなく田舎の働き方しか知らないためか、言動に視野の狭さを感じます」
とはいえ相手は上司だ。「常識」と言われたことに納得できなかったが、言い返さなかったそう。
「渋々、ブラックのチノパンを5つ用意し毎日履いています。工場勤務の人たちはロッカーが用意されているので、そこで私服に着替えられますが、私にはロッカーがないので、そのままの服装で帰ります。仕事終わりに予定がある場合は本当に困ります。デニムパンツを履いたらいけないなんて考え方が古いと思います」
真冬でも始業前に玄関を掃除させられる
すっかりデニムパンツを履けなくなり、不満を抱いている様子。これならユニフォームがあるほうが、退社後に遊びに行くときに好きな服装を楽しめていいかもしれない。
このほかにも上司の「古い考え」に困っているそうだ。
「毎朝玄関の掃除を10分程度しているのですが、冬場はそれほど汚れていませんし、寒くて身体的にも負担が大きいので、『週2度にしてもいいのでは』と提案したところ、『何十年も前からみんなが毎日行っていることだから、変える必要はない』と言われました。そもそも始業前なので、賃金の発生しない時間帯に行っていることですし、“ムダ取り”をしていく今の時代に合わせてもいいのでは、と思いますが……。正直、この掃除は『私たちの部署は頑張ってますよ』っていうアピールなのかなと思います」
大して汚れてもいないのに、氷点下のなか掃除を「何十年も前から毎日行っている」からと強要されるのはたまらないだろう。最後に男性はこう語った。
「常識はその時代で変わるので、時流を感じ、アップデートしていける柔軟さを持って欲しいです」
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