NHKあさイチが「ブラックパート特集」 宮崎美子は「会社の名前出して欲しい」と憤慨
ブラック企業、ブラックバイト問題が社会的に注目される中、次のターゲットと目されるのが「ブラックパート」。立場が弱く、会社から理不尽な扱いを受けても泣き寝入りしている人もかなり多いのではないだろうか。
10月28日のNHK「あさイチ」は「やめたい!避けたい!『ブラックパート』」という特集を組んだ。番組で事前にパートで働く人にアンケートを取ったところ、「突然クビに」「残業代が出ない」「社会保険に入れてもらえない」という3つの悩みが特に多く寄せられたという。
仕事を丸投げされた末、軌道に乗ったら「シフトなしね」
最初に紹介されたのは、パート先から突然「クビ」と言われた都内に住む40代・のり子さん(仮名)のケース。仏具店で1日6.5時間、月に14日も働いていたが、先月になって2年間働いてきたパートを突然クビになったという。
のり子さんは当初、正社員の店長とパート2人とともに働いていたが、店長は他の店と兼任になって顔を出さなくなり、他のパートも転職してしまった。のり子さんは店の準備から電話対応、接客などをすべて一人で仕事を担うこととなった。
さすがに一人では無理だと店長に訴えたが、「忙しいからそんなことは自分で考えてやって」と丸投げ。1か月後に新しいパートが入ったが、その教育も任されて、さらに多忙になった。
そこでクレーム対応だけでも正社員ができないかと頼んだが、店長は「パートであろうと売った人がすべきだ」と取り合わない。そこでのり子さんは「店長の立場はどの位置ですか?」と問いただしたところ、ハッキリ「俺は責任負わないから」と言われてしまった。
それから2か月、新人も仕事を覚え、さらに2人のパートも増えたところで、それまでの月14日の勤務が何の相談もなく10日に減らされていた。数日後、店に来た店長に問いただしたところ、こんな通告があったという。
「あなたさ、シフトに入れづらいんだよね」
「もう来月はシフト入れられないから」
「解雇通知書」を請求して不当に減らされた賃金を取り返す
結局クビになったのり子さんだが、理不尽な扱いに納得がいかない。「人を本当になめんなよ」と憤り、NPO法人「労働者を守る会」の代表で社会保険労務士の須田美貴さんに相談。会社に「解雇予告手当」と「不当に減らされた日数分の賃金」の計5万円を会社側に支払わせることができた。
労働基準法により、会社は従業員を解雇するときには30日前に伝えなければならないとされている。しかし店長が「もう来月はシフト入れられないから」と言った日は、30日前を切っていたという。
また、会社は「解雇」とはハッキリ言っていなかったが、のり子さんは須田さんのアドバイスで会社に「解雇通知書」を請求。会社に解雇を認めさせたうえで、手当などを支払わせることができたということだ。
ネットでは視聴者から「あさイチのブラックパート、めっちゃ既視感」「身につまされるなあ」といった感想が挙がった。強い責任感につけこんで使い捨てされても、泣き寝入りする人が少なくないようだ。
アンケートでも、職場がブラックだと感じても「我慢した」「自ら辞めた」という人が7割もいたという。スタジオゲストの宮崎美子さんも「NHKだけど会社の名前を出して欲しいくらい」とコメントし、他の出演者も「パートだと人権がないみたい」と同情していた。
あわせてよみたい:「紹介予定派遣」経験者の6割が直接雇用に結びつく