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「経営層が現場を理解してくれない!」中間管理職の悩み、どうすればいいのか解説

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私が担当している管理職研修では、主に中間管理職の人から以下のような悩みをよく聞きます。

「上司が、自分の思いを理解してくれない」
「上司が、現場を助けてくれない」
「経営層が、現場を理解していない」

部下のマネジメントだけでも大変なのに、部長や役員とも色々と調整しないといけない。皆さん少なからず同じような思いがあるのではないでしょうか。今回は、仕事をスムーズに進めていくために、自身の上司や経営層の動かし方を考えて参りましょう。(文:働きがい創造研究所社長 田岡英明)

上司や経営層の視界を想像してみる

多くの日本の会社には、「一般社員<主任<係長<課長<次長<部長<役員<社長」といった階層構造が存在します。
どの階層でも同様ですが、仕事をスムーズに進めていくためには、自身の上司の支援を獲得することが大切です。その為には、日頃から以下のようなコミュニケーションを心がけ、上司が動きたくなるポイントを掴んで行動していく必要があります。

(1)日頃から、できるだけコミュニケーションの機会を持つ。
(2)日頃のコミュニケーションの中で、上司がどのような職業人生を歩んできており、どんなことを大切にしているのかを知る。
(3)上司の仕事がどのようなもので、どのような光景を目にしているのかを想像する。
(4)目にしている光景の中で、どのような思いや問題を抱えているのかを理解する。
(5)上司が抱いている思いや問題に対して、視座を上げて自身が関われることを考える。

ポイントは、上司が大切にしていることと、抱いている思いや問題を理解することにあります。上司が大切にしていること、つまり価値観は、人が動くときのポイントになります。そして、抱いている思いや問題は、その価値観に連動しています。そこを理解したうえでアプローチすることが大事です。

回避型のコミュニケーションで、自身の思いを伝える

上司が動きたくなるポイントが理解できたならば、回避型のコミュニケーションを通して自身の思いを伝えていきましょう。避けたいと思うことを、伝えていくことが回避型のコミュニケーションになります。

心理学的には、人は、こんな状況を避けたいといった思いに、心が動かされやすいと言われています。以下のようなステップで、上司の心を動かしていきましょう。

ステップ1:上司が抱いている思いや課題感につながる組織サーベイや従業員満足度アンケート、離職率のデータ等の“負のデータ”を示し、現状の問題を伝えていきましょう。上司の心の中に、「やばい」といった回避型の思いを持たせることがポイントになります。

ステップ2:示した視覚的なデータに対する、自身の課題感を伝えていきましょう。ここでは、「Iメッセージ」を使うと効果的です。Iメッセージとは、「私は〇〇だと思っています。」といったコミュニケーション技法で、相手への伝わりやすさを向上させるものになります。

ステップ3:自身の課題感に対して、実行していきたいと思っていることや、上司に支援してほしいことを提案していきましょう。ここでは、実行していくことの目的をしっかり伝えながら、具体的なプランを示していきましょう。上司の頭の中に、解決された後の状態がイメージされることがポイントです。

ステップ4:上司が、自身のやりたいことにOKを出してくれれば、そのまま進めていけばいいのですが、NOを出してくることも考えられます。このステップでは、NOを出された時の代替案も用意し、次のコミュニケーションに繋げていきましょう。

上司の価値観や課題感を理解し、回避型からスタートするコミュニケーションで、上司の支援を獲得していく流れをご紹介いたしました。自身の上司とのコミュニケーションは、そのレイヤーによっては難易度が高い可能性もありますが、貴重なコミュニケーション機会を意味あるものにしていくために、本日の内容を活用してください。

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