「俺は取締役だが、取り締まられている」
東京都の50代前半男性(事務・管理/年収450万円)は、とある同族経営の会社で取締役がこう言っているのを耳にした。最終的にその取締役は、経営者の長女である副部長からハラスメントを受け、退任に追い込まれたという。
現在その取締役の椅子には経営者の長女が座っているそうだ。その人物について男性は
「能力的には新卒並み、またはそれ以下のレベルであっても取締役になれてしまう。劇場型のクビ切りが行われているのをリアルに見て、同族企業って怖い」
と胸中を吐露する。(文:福岡ちはや)
「漢字を正しく使えないのに、上から目線で自分が正しいと言っている」
この経営者の長女は、社内権力が相当に強いようだ。彼女は派遣社員と結託し、正社員に対してこんなハラスメントをしていたと振り返る。
「客先の配布前のパンフレットの内容確認をする業務において、明らかな誤記を見つけ指摘したが、(経営者の長女は)お客さんには指摘せずに『修正事項なし』として派遣社員から回答させた」
正社員が発見した客の間違いを無かったことにして、派遣社員に対応させたのだ。その後、正社員が客への回答内容に気づき、まず派遣社員に経緯を確認した。すると
「誤記とは気づかなかった。たとえ誤記であっても副部長(経営者の長女)があえて指摘事項から外したのだから、あなたが指摘すること自体が間違っているのでは?」
という答えが返って来た。男性は「漢字を正しく使えないのに、上から目線で自分が正しいと言っている」と衝撃を綴る。ちなみに、副部長は
「その誤記は、お客さんが気付かずに使っているからこちらから指摘すべきでない」
と発言したというから、ずさんな仕事としか言いようがない。誤記の訂正を進言した正社員からすれば、上役の鶴の一声で「間違っている」呼ばわりされるのは納得いかないだろう。男性は、
「その考えは、お客さんにとって本当に良いことなのでしょうか。誤字のパンフレットを配布したら、結果的にお客さんのレベルが低いと消費者に思われてしまうのに」
と問題の二人を批判していた。
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