都内で長年コンビニを経営する60代前半の男性(企画・マーケティング・経営・管理職/年収1500万円)は、これまでに何度もとんでもないアルバイトに出会ったことがあるそうだ。編集部は男性に取材を申し込み、2つのエピソードを教えてもらった。(文:福岡ちはや)
店の裏口に置かれた「タバコ1カートン」の謎
男性は1984年からコンビニ経営を始め、それから40年にわたり「今まで数百名のアルバイト、パートさんを雇ってきました」と語る。開業当時の男性はまだ22歳、人を雇って店を経営しようと思ったら、それなりの覚悟が必要だっただろう。
男性が「今から20年以上前の話です」と真っ先に語ったのは、こんなエピソードだ。最初に異変に気が付いたのは男性の妻だった。
「バックルームに店の裏側に出られるドアがあるのですが、妻がそのドアを開けると、隅にきれいな状態のタバコが1カートン置いてあったそうです。妻は『なんでこんなところにタバコが置いてあるのかしら?』と言いながら、そのタバコを私のところに持って来ました。店の裏は人も車も通れる道になっていますが、あんな人通りの少ない場所に誰かがタバコを置くというのは考えにくく、明らかに不自然でした」
状況から強く疑われたのは「店員が、店の在庫を持ち出した可能性」だ。男性は、「バックルームのタバコの在庫を置くストックケースは、店の裏に出られるドアのすぐ前にありました。やろうと思えば、人目を盗んでドアを開け、タバコを外に置くことは簡単でした」と語る。
店にいたのは男性と妻、マネージャー、採用したばかりの女子大生の4人。当時バックルームに監視カメラはなく、決定的な証拠はなかったものの、タバコ品出しのトレーニング中だった女子大生が疑われた。女子大生は「知らない」と否定したが、後日採用を取り消したいと伝えると、理由も聞かずに「わかりました」と承諾したという。
勤務初日に「勝手に帰った」女子高生
約20年前には、勤務初日に「突然、帰ってしまった」女子高生がいたという。男性は「彼女は近所に住んでいる子で、お母さんもよく店に買い物に来ていました」と振り返る。
「面接のときは、特に変な感じもしなかったんですけどね。勤務初日にオリエンテーションをしたあと、妻に彼女のトレーニングを任せて数時間だけ店を留守にしたら、その間にいなくなっていました。妻いわく、検品の仕方を教えていたら突然固まり、『気持ち悪い』と言って帰ってしまったそうです」
男性の妻は驚きのあまり「初めての経験」と言って少し笑っていたという。その後、女子高生が店に復帰することはなかった。それどころか、電話の1本すらないまま消えてしまったそうだ。男性は、
「それ以降その子の姿を見ていないし、お母さんを見かけることもほとんどなくなりました。ただ、彼女の家の表札は今も変わっていないので、元気にしているのか気になってます」
と心配していた。
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