面接で違和感を感じたら、その職場では働かない方が賢明だろう。神奈川県に住む30代女性は、転職活動中にとあるクリニックで酷い圧迫面接に遭遇。その恐怖を振り返った。
それは2011年の夏のこと。暑い中スーツを着て「ハローワークで紹介されたとある精神科のクリニック」に面接に行った。だが、このクリニックにはとんでもない院長がいて……。(文:國伊レン)
「丁稚奉公って知ってるか?」と院長
女性は栄養士として新卒入社した会社を事情により10か月で退職した。転職活動中は無職期間をできるだけ短くするため、栄養士に拘らず医療事務なども視野に入れていたという。
面接は、午前の診察が終わった後に診療室で行われた。入室すると、そこには威圧的な態度の院長が待っていたそうだ。そして開口一番に
「丁稚奉公って知ってるか?」
と切り出し「ここは雇ってもみんな泣いて辞めていく」と話し始めた。丁稚奉公は、十代のうちから下働きとして商家に仕える江戸時代の慣習だ。それくらいがむしゃらに働けとでも言うつもりだったのだろうか。続けて、院長は
「このクリニックのこと知ってるか?」
と質問してきた。ホームページを見て知っていると答えると、院長は女性を
「あれは患者さん向けに書いてるんだ!」
と怒鳴りつけてきたという。これではどこに地雷があるかわからなくなってしまうだろう。しかも院長は途中から「背もたれにだらっと座り、足を組み出し」、見下したような態度で面接をし始めたそう。
女性はあらかじめハローワークの職員から「ここは厳しくて、休憩時間が10分しかもらえなかったみたい」と聞いていたが、ここまでふんぞり返った態度で対応されるのは初めてのことで、驚いたと当時を回想する。
「さらには、『俺の印象は?悪口でも良いよ』と聞かれ、まさか悪口まで言えるわけないと思っていた私は『普通の面接と違って、驚いてます』と答えたら、『いや、印象聞いてんだけど』とつっけんどん」
本当に人を雇いたいと思っているのか疑わしい態度だ。最後に女性は「出直しますか?」と聞かれ、「はい」と答えてクリニックを後にしたという。
「クリニックを出て、駅に向かって歩いてる時や駅に着いてならもしばらく手が震えていました。これまで寒さ以外で手が震えた経験はありませんでした。 後にも先にもこういった面接はそこだけでした」
仮に圧迫面接だったとしても、医療事務の面接に取り入れる必要はないだろう。人の心を害するような人間に、精神科クリニックの院長をする資格はあるのだろうか。
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