タクシードライバーとして働く50代女性は、勤務先のタクシー会社を「暇な会社」だとぶっちゃける。ある日、「病院に行きたいので早退をさせて下さい」と申し出ると、社長から
「何?どこが悪い?分かっとったんなら何でもっと早く言わんだい!どこの病院だ?」
と言われた。部下の体調を気遣っているのかどうかよくわからない、畳みかけるような聞き方だ。(文:篠原みつき)
「はっ?あんたはストーカーか?そこまで調べて何様?」
前述の通り暇な会社のため、「あたしが休んでも十分回ります」と明かす女性。しかし、すぐに早退の許可は出なかったようで、仕事が入ってしまったという。仕事を終えて帰社すると、社長はパソコンで女性が行く予定だと言った病院を調べており、
「今日行かんでも、明後日の休みに行けれんだか?木曜日でも午前中は空いとるぞ!」
と言ってきた。いま体調不良で病院に行きたいと言っているのに、2日後の公休で行けとはどういう了見なのか。女性も内心
「はっ?あんたはストーカーか?そこまで調べて何様?」
と呆れた様子だ。結局、社長からは「まあええわ」と一言返され、無事に早退できたという。それでも本音をこう打ち明ける。
「本当はサボりたかった。息をするのも苦しい会社だから。残業手当も付かない、残業した分は次の出勤の時に『残業した分早く帰れ!』(と言われる)。基準法違反で訴えたいけれど居づらくなるから我慢しています」
残業手当がつかないのに次の出勤時に「早く帰れ」は、タクシードライバーの規定労働時間のつじつまを合わせるためだろうか。いずれにせよ、女性はすでに「こんな上司いらない」という結論に達しているようだ。
「あと4か月で1年ですからそれまではいます。気がおかしくならないうちに」
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