「台風が来てたって知らなかったっす」 テレビ見ない20代会社員が定時出社
「最強クラス」といわれる台風19号が、日本に接近している。3連休の後半には九州や本州に上陸の予報もあり、2週連続で台風が上陸すれば10年ぶりだ。
台風18号が関東に上陸した6日に配信した記事「台風出勤も『非正規』に格差」には、ニコニコニュースで500件以上のコメントが寄せられた。記事では台風接近にもかかわらず、派遣社員が上司から「早めに家を出て」と求められたなどの不満の声を紹介した。
正社員は「前日からダンボール引いて泊まり」
死者も出たほどの猛烈な台風にもかかわらず、出社を余儀なくされたのは、接客サービス業に従事する人が多かったようだ。従業員の安全を考えれば臨時閉店してもよいはずだが、そこは「お客様最優先」の論理が許さない。読者からも、嘆きの声が相次いだ。
「『明日は状況見て出勤して』派遣先の終礼→派遣元から電話があり『台風ですが気をつけて必ず出勤して』と言われました」
「24時間とか過剰サービスとか求めたのは誰なんだろうな…確実にシワ寄せが」
小売の場合、休業すると利用客から「なぜ営業しない?」とクレームが来るので店を開けざるを得ず、「胃が痛い(天仰ぎ)」という人も。「相変わらず日本の過剰サービス精神の弊害の一つがここに」と批判する声もある。
店を開けてくれることはありがたいが、危険を冒して出勤すべきと無責任に考える客は多くないと思うのだが…。「下請け業者」という弱い立場にいると台風でも休みにくい、と明かす人もいた。
しわ寄せが行きやすい人たちから不満があがる一方で、「正社員でも出社している」「むしろ社員の方が責任重い」という声もあった。
「うちは逆で、正社員は定刻通り、非正規雇用者は遅参出勤」
「別に派遣じゃなくっても正社員が出勤する業種があるよ。自分みたいな保守の仕事とか。ちなみに前日から泊まりで床にダンボール敷いて待機です」
正社員であれば、台風で電車が止まることを見越して「いつもより早く家を出るべきなんだよ。大人なんだから」と、遅刻を仕方ないとする風潮に憤慨する「社畜」もいた。
定時出社した人は「オフィスでのんびり」
もちろん従業員の安全を考え、自宅勤務になった会社もある。都内のあるIT企業では、朝6時の段階で大雨警報が発令されていたため、会社の一斉メールで「自宅待機」が告げられたそうだ。正午過ぎに警報が解除され、「自宅待機解除」「自宅勤務できる者は出社不要」となった。
しかしこの会社に勤める20代男性のAさんは「自宅待機」を知らずに、定時出社してしまった。会社からの指示メールをチェックしておらず、普段からテレビも見ないため「台風が来ていたことを知らなかったっす」という。
電車は「いつもより混んでいた」というから、遅刻しないよう早めに家を出た人たちが多かったようだ。しかし出社してみると、同僚は誰も出社していなかったので、「午前中はオフィスでのんびり寛いでいた」そうだ。ニコニコの読者にも、
「自分は遅刻しなかったけど、他の人はみんな昼に出勤。他の人達が出勤するまでネットしてたし定時帰社」
と明かす人がいた。そう考えると「台風出勤」も悪くないのかもしれない。果たして台風19号は今後どう進み、読者のみなさんの出勤の行方はどうなるだろうか。
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