その常連客は、店長が接客して販売した商品を持ち込み、こう主張した。
「『高い割にはすぐにヨレヨレになって手入れも難しいし、どうしてくれるんだ』とのことでした」
カウンターにいた男性は、店の奥で品出しをしていた店長がすぐに対応へ来るかと思っていた。しかし店長はその場を離れて行った。
「(常連客が)来たことを確認すると、すーっと静かにトイレに入っていきました」
男性はそのとき「あ、逃げたな」と確信したという。
ニヤニヤする上司に「こいつに付いていくのは金輪際やめよう」
その、常連客には男性も何度か対応したことがあったため、代わりに話を聞いて対応することになった。
男性によれば、その客は頻繁に出張をするため、どちらかというと質より量を重視し、形状記憶のしわになりにくいスーツや、スラックスが2本ついているスーツを好むタイプだった。しかし店長が売ったのは、値段はいいものの「上質で柔らかい生地ですが、しわにはなりやすく弱い素材のスーツ」だったという。
そこで男性はスーツを預かって丁寧にアイロンをかけ、生地の特徴と簡単なお手入れ方法を伝えた上で、「できればいい生地のスーツだからここぞという時の勝負服にしてみてはどうか」と提案した。
「追加でしわになりにくいスーツなどをさらに購入され、満足されてお帰りになりました」
と事なきを得たようだ。新たに売上も作って、まさに十分以上の対応だったと言えるだろう。
しかし、当の店長はお見送りから戻ってくると苦笑いしながらこう言い放ったという。
「『クレームからよく販売に繋げたねぇ』などとニヤニヤしていたので、こいつに付いていくのは金輪際やめようと思った出来事でした」
自分が売った商品のクレームから逃げた上に、人ごとのようにニヤニヤする店長。せめて、「対応ありがとう」の一言もでもあれば、男性の感じ方も変わったかもしれない。
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「そんな上司について行きたくありません」自分の仕事を押し付ける上司に言い返したエピソード


