男性は「勤務年数が多くなるとだんだん見えてくるのですが」とした上で、親会社の実態をこう明かす。
「まず徹底的に情報共有がありません。防災に関する場所や物事でも、事前の相談はなく親会社の中だけで決めて話が進みますが、結局、考えが浅いのでフォローが必須になります」
親会社から子会社への連絡だけでなく、同じ事業所内の横のつながりも希薄だという。「A部の作業を開始したため、B部の作業ができなくなってしまったが当日まで連絡がなくケンカになったり」と、現場の混乱は日常茶飯事だ。
ライフライン施設のため危険物も取り扱うが、関連する工事でも「概要だけ連絡してきて、安全対策や人員確保は丸投げという状況」だという。
また、氷河期世代の男性が徹底的に指導されてきた「『基本的』な『ビジネスマナー』が皆無なことに驚かされます」とも語る。
「数百人いる社員様が出社する際、受付業務をしていても、こちらのあいさつに対してきちんと挨拶を返してくれる方は全体の2割くらい」
ほとんどの人が挨拶をしないか軽く会釈する程度で、それは同僚や協力会社の人間に対しても同じ態度だという。それは「ビジネスメールのやり取りの内容や、電話応対、文書の書き方など」にも及んでいるそうだ。
突然救急車が構内に入って来て「現場はどちらですか?」
そして、男性が「最も驚いた」というのが、緊急時の対応だ。
「小火騒ぎや急病人発生など、緊急対応が必要なことでも連絡が来ないことです。突然救急車が構内に入って来て、『現場はどちらですか?』と聞かれて答えられず、のちに消防から指導されたことがありました」
ところが、その時に通報した親会社の社員から言われたのは
「なぜ早くこっちに連絡してこない」
という理不尽な言葉だった。そもそも急病人が発生して通報したこと自体の連絡がないのだから、どこに連絡しろと言うのだろう。男性は「いきなり連絡はできません」と怒りをにじませる。
最後に、「そのうち大きな事故か事件が起きるのではないかと、ひやひやして勤務しています」と心境を吐露している。一流企業という華やかな看板の内側では、今日も綱渡りの現場運営が続いているようだ。
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