「今後の大型連休は全て休み希望は通せません」 バイト先の飲食店の張り紙が波紋
スタッフの休み希望を全て通したところ年始に営業ができなくなり、「これは飲食店として有り得ないことです」と激怒。さらに、「書き入れ時に店を閉めるという事はどういう事かわかりますよね??会社へ大きな損害を与えているという事です」と説明する。
休み希望が多いスタッフは「貢献度の低いスタッフ」とみなし、シフトを削ることにした。以降「大型連休は全て休み希望は通せません」と宣言している。
「なぜなら、店を営業する事が最優先だからです。基本的には大型連休は学校もないし、休むのはみなさん全て私的な理由ですよね??」
この投稿はツイッター上でかなりの反響を呼び、「私的な理由以外の休みってなんなんや」「マネジメント能力無さすぎ」などの突っ込みが数多く寄せられた。
「自社の仕事を優先できる正社員を雇えばいいのではなかろうか?」という反応も。アルバイトやパートは、正社員に比べて待遇が悪い分、責任も軽い。ある程度 自由に働けるからこそアルバイトやパートで働いているという人も多いはずだ。
しかし中には「働きたい時だけ働く、は、まかり通らないのでは……」という意見もあった。非正規だからといって、その店舗で働いている以上は、店舗運営の責任を負う必要があるということだろう。
そもそも「飲食で働きながらお盆、クリスマス、年末年始全部休みたい学生っていうのもよくわからない…」というのも一理ある。確かに連休に休みを取りたいのであれば、休日は休みやすいアルバイトをすればいいだろう。
必ずしもブラックとは言えない 働き始める前に就業規則や雇用契約の確認を
年末年始などの大型連休に休みを取りたいアルバイトと店舗側の攻防は今年になって始まったものではない。
キャリコネニュースでは2014年にも、アルバイトに正月出勤を求める店舗の記事を紹介している。こうした事態が繰り返されるのは、経費削減のために正社員数を減らし、アルバイト従業員に依存して店舗運営をしているからだろう。この投稿者の勤務先もどうやら正社員が極めて少なかったようだ。
飲食業界の人手不足は深刻だ。厚生労働省の調査では、2016年11月の有効求人倍率は1.31だが、「飲食物調理の職業」では3.13で、「接客・給仕の職業」では3.69となっている。ただでさえ人手不足の中で、年末年始などの大型連休には休みを希望する人が増える。こういった時期にいかに人手を確保するのか店舗経営者も頭を痛めているに違いない。
では、アルバイト従業員に出勤を強要することは問題がないのだろうか。前出の記事では、社会保険労務士の小林千晃氏が、休日の取り方について、「採用する方も採用される方も、後々のトラブルを避けるために契約時に雇用契約を書面で交わすのが望ましい」と語っていた。
就業規則や雇用契約によっては、雇用者がアルバイトの休みの希望を拒否できることもあるため、働き始める前に休みの取り方を書面で確認しておくことが望ましい。シフトを調整してもらえるように早めに希望を申請したり、そもそも連休でも休みやすいアルバイトを選んだりすることも重要だろう。