豊かな社会で、ほめて育てられ… 甘さの抜けない「社2病」「シュガー」な社員たち | キャリコネニュース
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豊かな社会で、ほめて育てられ… 甘さの抜けない「社2病」「シュガー」な社員たち

思考停止したサラリーマンゾンビに迫る「ワーキングデッド~働くゾンビたち~」(BSジャパン)。2014年10月30日の放送は、大した社会経験もないのに大人の社会人をアピールする「社2病」デッドを取り上げていた。

「社2病」とは、社会人2年目にありがちな痛々しい言動のことを指すようだ。思春期特有の背伸びした言動を「中2病」と揶揄することがあるが、それをもじったものだろう。忙しさや寝不足で「デキル社員」をアピールし、周りをイラッとさせてしまう。

栄養ドリンクを次々飲んで「効かねえ」とつぶやく

1105tv某IT企業では、学生たちがリラックスできるようにと、企業説明会に入社2年目の石野(24)を同席させた。ところが、これが大失敗。「社2病デッド」の彼は、学生たちの目の前で「寝てねえ」とつぶやき、栄養ドリンクを次々と飲んで「効かねえ」とまで言う。

石野は学生の質問に「寝てねえ」と言うばかりで、学生たちの間には「何がそんなに疲れるのか、ブラック企業ではないか」という不安が広がってしまった。

番組ゲストで社会保険労務士の田北百樹子さんは、「忙しそうにしていると、面倒な仕事を振られなくて済むというのもある」とした上で、「社2病デッド」が増えている原因をこう解説した。

「社2病は24歳くらいの、『ほめて伸ばす教育』を受けてきた世代。『自分は特別』など、格好よさを演出したいのではないでしょうか」

社2病デッドへの対処法は、「本当に出来る人は『忙しい』とは言わない」ということを認識させることだという。例えば本当に忙しい人の名前を出し、「○○さん、あんなに忙しいのにちゃんと相談に乗ってくれて、器大きいよね」などと話をすると効果があるそうだ。

次に番組は、社会人としてのモラルが欠如し、叱ると親が怒鳴り込んでくる「シュガーデッド」を紹介した。番組ゲストの田北さんが一時流行らせた、甘ったれの社会人を指す「シュガー社員」を基にしたものだろう。

仕事を頼んでも手を着けず「やる気待ち~」

某食品メーカーで勤務する女性社員の小出(26)は、上司に呼ばれると「なあに~?」と応え、簡単な資料作成も満足にできず、「だって~」「でも~」「ムリ~」を繰りかえす。やり直しを指示すると、2時間経っても取り掛からずにスマホをいじっている。上司が咎めると「やる気待ち」と言い放ち、おやつを食べていた。

「なんで俺がお前のやる気を待ってなきゃいけないんだ!」と怒鳴ってはみたものの、小出は資料作成が終わらないまま、定時の5時に「大事な用事」と言いながらさっさと帰ってしまった。大事な用事とは「部屋の模様替え」。上司の森山さん(36)は心底困惑した様子で、こう話す。

「もうずっと『何もしたくない』と言うばかり。全然変わらないので、一発ガツンと言ってやらないと…彼女も未来があるので」

そこで彼女のためを思って厳しく叱ってもみたが、小出は突然号泣しどこかへ電話。とたんに彼女の母親が会社に乗り込んできて、「かわいそう! パワハラ!」と文句を言ってきたという。

こうした親のことを「ヘリ親デッド」と言い、ヘリコプターのように子供を常に上空から見守り、何か起こると急降下してきて介入する。結局森山さんは、更に上の上司に謝罪するハメに陥ってしまった。田北さんはシュガーデッドの対処法を、こう解説した。

「どこかでこれじゃいけないと気付く人はいいが、気付かないで何年も経ってしまった人は、そこから厳しく教育するのは無理。トラブルが起きないように見守っていくしかない。残念ですがそういうことです」

共通する背景には、親子とも豊かで何不自由ない社会に育った世代ということのようだ。この世代は「ほめて伸ばす教育」が大好きで、叱ることはネガティブにしか取られない。「社会はそんなに甘くない」と言っても通じないのなら、「甘々の世界」に視線を下げるしかないのだろうか。(ライター:okei)

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