第二新卒の退職理由1位「仕事が合わない」 再就職で重視するのは「人間関係」「ワークライフバランス」
若手人材紹介のUZUZ(ウズウズ)は、20代の第二新卒・既卒・フリーターとして就職活動中の男女を対象に「就職活動に関する調査」を実施した。調査は今年3月上旬から9月下旬、面談で来社した第二新卒等の対象者にアンケート形式で実施。814人から有効回答を得た。新卒で入社し1~3年程度で退職した「第二新卒」が41%(331人)、学校を卒業してから一度も就職したことがない「既卒」が59%(483人)という内訳だ。
第二新卒で就活中の人に「前職の職種」(在職中含む)を聞くと、最も多いのは「営業」(29.1%)だった。次いで「技術・専門職(エンジニア・研究開発)」(12.4%)、「サービス(接客・介護など)」(29.1%)、「事務系(一般事務・営業事務など)」(9.9%)、「販売(9.6%)」と続く。(文:okei)
福利厚生より社風・人間関係、「給料」より「休日の多さ」重視
また、「前職の業種」では、「情報通信・インターネット業界」(14.6%)が最も多く、次いで「建設・不動産業界」(13.6%)、「小売業界」(8.0%)という結果だった。その他は、飲食業界・物流業界・教育業界などが上がった。前職の企業規模は、1000人から5000人未満の人が22.3%、次いで49人以下が18.3%だった。
「最も重要な退職理由」でもっとも多かったのが「仕事が自分に合わなかった」(16.7%)。2位が「労働時間が長かった」(13.8%)、3位が「社風が合わなかった」(13.4%)だった。仕事の内容や社風など、働く前とのギャップが大きな要因になる人が多いようだ。
再就職する会社に求めるもので最多だったのは、「良好な人間関係」(15.2%)と「ワークライフバランス」(15.2%)だった。次いで「休日の多さ」(13.2%)で、「給料」(10%)は4番目に入った。福利厚生や給与よりも社風や人間関係を重視し、労働条件で転職を検討する傾向がうかがえる。
既卒者の8割が就活で苦戦 「やりたいことを探さなければ」という固定観念が足かせに?
一方、既卒として就活している人に「どのような理由で既卒になったか」聞くと、最も多かったのが「学生時代に就活をしなかったため」(34.2%)で、「学生時代に就職活動をしたが、内定を獲得できなかった」(23.9%)を上回った。
ちなみに、「新卒時に就職活動をしなかった理由」は、「自分のやりたいことが分からなかったため」(31.1%)が一番多く、次いで「就職以外にやりたいことがあったため」(25.2%)、「学業や部活動が忙しかったため」(17.6%)といった回答が見られた。調査を実施したUZUZはこの結果に対して、
「就活を始める切り口として『自分のやりたいこと』というものがあるが、結局『自分がやりたいことを探さないといけない』という固定概念から就職を回避する傾向にあるようです」
とコメントしている。
既卒者に現在の就職活動状況を聞くと、「かなり苦戦している」(23.9%)、「どちらかと言えば苦戦している」(55.3%)と、合計79.2%が苦戦している結果になった。転職市場は若手を求める傾向があるものの、未経験でアピール材料が少ないとなると、簡単では無いようだ。
既卒者が就職活動で大切にしていることは、多い順に「良好な人間関係(12.9%)」、「給料(12.8%)」、「ワークライフバランス(12.6%)」。第二新卒者と比べ、「給与」の比重が高いのが特徴的だ。どちらが良い悪いということはないが、社会人経験が少しでもある人とまったくない人との違いが表れた結果だと考えられる。