新人がすぐ辞める職場であったこと「派遣社員に新入社員を教育させる」「見よう見まねで営業させられる」
企業の採用担当者にとって、新卒社員や中途採用者には長く働いてほしいもの。新人にすぐに辞められてしまっては、労力と費用が無駄になってしまう。しかし現実には、離職率の高い会社は多い。企業口コミサイト「キャリコネ」にも、新人がすぐに辞めてしまう職場の現状が寄せられた。人が離れてしまう職場には、どのような問題点があるのだろうか?(参照元 キャリコネ)
「うまくいかないと『向いてない』と追い込まれる」
「新人に対して教育にばらつきがあり、誰の言うことを聞いたらいいかわからない。きちんとした研修体制ができていないと覚える方もよくわからない。威圧的でただ自分の感情で怒ってくる。人がすぐ辞めるのもわかる気がします」(ショップスタッフ 30代後半女性 契約社員 年収240万円)
「人材を育てる意識が弱く、研修もなく、入社後は、見よう見まねで営業に向かわされる。うまくいかない時は『向いてない』と精神的に追い込まれ、すぐ辞める社員が多い」(ブライダルコーディネーター 20代後半女性 正社員 年収278万円)
「社員の教育がなっておらず遅刻、早退、無断欠勤が多すぎ。派遣社員に新入社員の教育をさせるのは間違い。人が入ってもすぐ辞める→人が足りなくなり焦る→簡単に採用する。この悪循環を無くす為にも採用は慎重に、そして労働環境の改善が必要だと思う」(ショップスタッフ 30代前半女性 派遣社員 年収220万円)
口コミでは、新人教育や研修体制への不満が多く見られた。「教育内容が統一されておらず仕事を覚えられない」、「見よう見まねでいきなり現場を任せられる」など、新人にとって精神的に厳しい環境の職場もある。新入社員の教育を派遣社員に押し付けるなど、教育体制が整っていていない企業も多いようだ。「技を見て盗む」という方法でスキルを習得する職種があるのも事実だ。
しかし一般的な職種の場合、わかりやすい指導と丁寧な教育が、新人の定着率を高める一番の近道だろう。新人が仕事を覚え早く独り立ちすれば、先輩や上司の負担も削減され、効率よく仕事がまわるはずだ。
求人が頻繁に出ている企業は要注意
「セクハラ、パワハラ、モラハラなどあらゆるハラスメントがある。イジメも多数見られ、上司に報告するも対応はない。多くの新入社員がそのせいで辞めているが、院長にまで話がいかず、よく求人が出ている」(医療事務 40代後半女性 正社員 年収200万円)
「休憩時間やトイレの時間が細かくチェックされていて少しでも長いと注意される。退職者は多い。入ってもすぐ辞める」(その他 40代前半女性 派遣社員 年収230万円)
「社長はとても細かく気難しい人なので、社長に媚びる人でないと、この会社では生きていけない。長年君臨する女性社員も気難しい人なので、彼女たちにも媚びが必要。離職率がとにかく高く、すぐ辞める人も多い。求人を見るたびにいつも募集しています」(マンション・ビル管理 20代後半女性 正社員 年収250万円)
「石の上にも三年」という言葉があるが、3年も我慢していたら精神を病んでしまうような職場もある。セクハラ、パワハラなどのイジメ、行動を監視されるようなモラルハラスメントが横行する職場では、たとえ給料が多くもらえたとしても、精神的なダメージは大きく長続きしない。
離職率の高い職場は、長時間労働や給料の低さ、教育体制の不備もさることながら、人間関係や職場の雰囲気が大きく関係していると考えられる。
もちろんこうした点は、会社情報だけではわからない部分だが、「頻繁に求人募集が出ている」、「年中募集している」といった企業は、少し注意しておくといいかもしれない。
就職や転職の際には口コミをチェックし、面接では職場の雰囲気を肌で感じて吟味する必要があるだろう。企業側は、せっかく手間とコストをかける採用をプラスに活かすために、教育や研修体制の徹底し、過ごしやすい社内作りを心がけるべきだ。