有効求人倍率が22年9か月ぶりの高水準 しかし「ブラック増えても意味ない」との嘆きも
厚生労働省が1月30日、2014年12月の有効求人倍率を発表した。前月比0.03ポイント上昇の1.15倍となり、1992年3月以来22年9か月ぶりの高水準を記録した。
求職者よりも求人件数の方が多い有効求人倍率1超は、14か月連続。また、2014年の平均有効求人倍率は1.09倍となり、こちらも7年ぶりに1を超えた。
産業別に見ていくと、新規求人の上昇幅が前年同月比で最も大きかったのが宿泊・飲食サービス業。外国人観光客の増加を受けて17.7%の増加となった。
全体は1.15倍だが、正社員に限ると0.71倍
このほか前年同月比の増加率が高いのは、教育・学習支援業の17.3%や、医療・福祉業の11.9%。医療・福祉業の内訳を見ると、社会保険・社会福祉・介護事業が16.8%も増加しており、介護業界の人材不足が進んでいると見られる。
一方、製造業の増加率はマイナス1.6%。電子部品・デバイス・電子回路製造業がマイナス11.2%となっているのが大きい。ただし、飲料・たばこ・飼料製造業は26.7%、業務用機械器具製造業は12.7%増加していた。
なお、これらの数字はパートタイムなどの非正規求人を含めたもの。正社員の求人状況は2014年12月の月間有効求人件数が93万件で、前年同月より3.6%増加したものの有効求人倍率は0.71倍。依然として1にはほど遠い。
正社員での就職件数も、前年同月比で2.8%ダウンしている。全体の有効求人倍率は近年稀に見る高水準だが、1.29倍の非正規雇用が牽引する形になっており、正社員としての就職はなかなか難しいようだ。
地域別に見ると、東京(1.68倍)や愛知(1.54倍)、福井(1.52)、福島(同)などが高い一方で、沖縄(0.80倍)や鹿児島(同)、青森(0.85)倍などは1には達していない。ネットでは、有効求人倍率が高水準を記録したにもかかわらず、
「パートやアルバイトの求人が多いだけでしょ?」
「求人のほとんどが過酷な内容で薄給。これで景気回復したわーと実感はできないよね」
「量より質」「ブラックだったら意味ない」
なんて声も出ていた。
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