看護職員、4割がパワハラ被害 「科長の言動がひどい。新人が辛い思いをしている」 | キャリコネニュース
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看護職員、4割がパワハラ被害 「科長の言動がひどい。新人が辛い思いをしている」

画像は自治労連の報告書のキャプチャ

画像は自治労連の報告書のキャプチャ

自治労連は5月13日、自治体病院で働く職員の労働実態アンケートの結果を発表した。調査は昨年9月から10月にかけて実施。同年12月7日までに回答があったものを集計した。回答は23都道府県・97病院から1万2725人分集まり、うち看護職員(保健師、助産師、看護師、看護助手)は9584人分だった。

調査によると、看護職員のうちセクハラを受けた経験がある人は20.5%、パワハラを受けた経験がある人は42.8%だった。

科長から「1年目に夏休みなんてあげなきゃよかった」

セクハラは「患者から」が最も多く60.3%。次いで「医師」(27.5%)、「上司」(9.7%)と続く。パワハラは「上司から」が56.1%と最多で、その後「医師」(32%)、「同僚」(13.4%)、「患者」(8.5%)、「患者の家族」(5.1%)と続いた。2014年の前回調査と比較し、上司と同僚から受けるパワハラが増加傾向にある。

実際に経験したパワハラ被害の例としては、

「最近、科長からのパワハラとも取れる言動がひどい。『今日は時間外はつけません。残念でした』『一年目に夏休みなんてあげなきゃよかった』等。科長が原因で新人が辛い思いをしている」

などの声が寄せられていた。調査を実施した自治労連の担当者は、他にも「師長や副師長からパワハラを受けたことが退職の一番の原因」「スタッフの満足度も調査してほしい」など、様々な意見が寄せられたと明かす。「看護職員のハラスメントでは、女性が、自分が加害者になっていることに気づいていない例も多い」と分析している。

「普段の仕事で心身に疲労を感じる」と答えた看護職員は、「毎日非常に疲れる」(43.3%)「たまに非常に疲れる」(31.6%)で7割を超える。この傾向は2014年の調査でも同様で、過酷な労働実態が依然改善されていないようだ。

2018年9月のサービス残業の有無を聞くと、「経験なし」が19.6%。2014年より7.7%増加した。一方、20時間未満のサービス残業経験者は71.7%と高止まりしたままだ。

1年間で取得できた有給休暇の日数は、2014年に比べると10~14日取得が6.5%増、15~19日2%増、20日以上も1%増と取得日数は上がっている。しかし、「取得なし」(5.6%)、「1~4日」(19%)など、5日未満の人が2割を超えている。

仕事を辞めたい理由1位「人員不足で仕事がきつい」

職場で最も改善すべきだと思うことを複数回答で聞くと、1位が「人員の拡充」(6751件)。2位の「業務量の削減」(4095件)、3位の「年次有給休暇の取得促進」(3832件)に大きな差を付けた。

人員不足は、職員の離職意向の原因にもなっている。「仕事を辞めたいと思う」人は、「いつも辞めたいと思う」、「時々思う」を合わせ79.4%で、辞めたいと思う主な原因の1位は「人員不足で仕事がきつい」(3896件)だった。2位の「賃金が安い」(2341件)、3位の「休みが取れない」(2271件)に1000件以上の差を付けていた。職員からは、

「人数が少なく、十分に関われていないと感じることがあり、安全・安楽に患者様を看護していくために、十分な人員が必要と感じています」
「欠員が当たり前になっており、超勤は当たり前で、有給消化も今までよりあきらかに減っている。子育て世代が仕事を続けにくい職場環境を何とかして欲しい。欠員だと新人が育たない」

などの不満が出ていた。

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