新型コロナウイルスの影響でテレワークに移行した企業も少なくはない。緊急事態宣言解除後も継続する企業もあるが、”IT音痴”の上司に困っている人もいるようだ。キャリコネニュース読者からも
「Zoomに複数の課長がログインできず、打ち合わせの時間が遅れた」(40代女性 サービス業)
という声が寄せられている。IT・通信系の30代男性の上司は「テレワークはサボりと判断。テレビ会議アプリを使えずにリモート参加しない」という。これだとテレワークだと自身はサボると言っているようなものだ。
「エクセルで計算して最後は紙印刷で電卓チェック」「添付メール送れない」
中には、元々PC操作がおぼつかない上司もいる。コンサル系の40代男性は以前の勤め先について、「ローマ字入力が出来ない、マウスが使えないレベルの40~50代が多い。WEB会議ツールなどを導入したのに全国から担当者を集めて本社会議を行っていた」という。
ほかにも、
「何でも紙印刷ばかりで、エクセルで計算してても、最後は紙印刷で電卓チェック」(商社系/30代男性)
「何度教えても添付メールが送れない。メールを転送することも出来ず、まずは『印刷』。そしてその紙データを事務担当の私に『○○に送っておいて』と平気で3社くらい言う。挙句『事務なんか俺の仕事じゃねぇ!』と威張る60代」(金融系/50代女性)
といった声が寄せられた。
こんな上司だとこれからのwithコロナ時代が不安になってくる。ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「IT音痴上司はIT化、ひいてはネットやパソコン普及の波に乗り遅れた人で、歩み寄らない人ですね。普及した頃には社内でのポジションが上がったので部下に『やっといて』と指示を出してやらせていた人です」と語る。
「本人も『今さらもうやれない』と思っている人が多いですね。しかしなまじ職位が上がったためにプライドが許さず知ったかぶりをして部下を困らせている人もいます。例えば『プリファレンスでどうにかならない?』とか言っても、部下からしたら『どうにもならないし、横文字使いたいだけじゃん』と思われるとか」
IT音痴上司がいる中でも快適にテレワークを行うためには?
そのような上司がいる中でテレワークに移行するとどうなるのか。井上氏は
「実際、Web会議のときに、画面共有せずに『資料の◯ページ目が~』といったり、『スクショで送れ!』といったりする人もいます。他メンバーからすれば『画面共有をしながら話せばすむのに』と思いますが上司はその方法どころかその機能があることも知らない」
ただ、そうなっても部下から指摘しづらい時もある。「そのままスルーして『そういえばあの件って……』など、話を切り替えるという人もいます」というが、IT音痴上司がいる中で快適にテレワークを行うためにはどうすればいいのだろうか。
「メールなどで『いつものことですが情報共有です』という文面で、箇条書きでZoomの操作方法や、回線が遅くなった時の対処法などのマニュアルを作成し、週1で全員に送信することを習慣化してみてください」
ITが苦手な上司の中には、プライドが高く、指摘をすると怒る人もいるため、「”あくまでも全員に共有”というていでマニュアルを送るのがポイントです」という。マニュアルは随時更新し、上司以外でも分からない点があれば確認できるので一石二鳥だ。
“テレワーク断固反対”という上司の場合、どうすればいい?
しかし、中には「テレワークは断固反対」と頑なに拒む上司もいる。今後、新型コロナウイルスの第二波、第三波が来る懸念もあるためテレワークができる環境を整備していかなければならない。そうした困った上司がいる場合は、若手をはじめとしたチーム全体が一致団結して”社内世論づくり”をすることが重要だという。
「上司の次に裁量があるNo.2の人物が若手にテレワーク実施しないために困っていることなどを聞くなど、チームを団結させ『テレワークをしよう、したい』という雰囲気を作ります。その上でNo.2からテレワーク反対の上司にテレワークを提案するのが自然です」
その場合でも”週1のマニュアルメール”を行うべきとしている。井上氏は、
「”あいつのためにやっている”と思うとイラつきも募りますが、”自分が仕事をやりやすくするため”と思うと上司に対して優しい気持ちも持てるのではないでしょうか」
と語る。
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