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「長期インターンで専門性を身につけたい」? 学生が抱きがちな幻想

画像はイメージ

私の会社では常に学生インターンを募集しています。1カ月に10数件、多いときは数十件の面接があります。その面接で本当に数多く聞くのが、「専門的なビジネススキルを付けたい」という志望動機です。

「WEBマーケティングのスキルを付けたい」
「営業のスキルを付けたい」
「キャリアアドバイザーとしてスキルを付けたい」

こんな発言をする方には、「なぜ長期インターンをするのか?」と理由を聞いています。(文:キャリアコンサルタント 坂元 俊介)

学生の答えは…

ほとんどの学生の答えは「就職活動のため」、または「社会に出た時の備え」のどちらかです。

ただ、残念ながらインターンで身につけられるレベルの「専門性」は、就活ではほとんど役に立ちません。

経団連の新卒採用に関するアンケート調査によると、企業が重視するポイントはコミュニケーション力・主体性・チャレンジ精神などで、「専門性」は13位です。

つまり、企業は一般学生が身につけられるレベルの「専門性」を重視していないということです。社会人になったあとのアドバンテージも、そこまで大きくありません。インターンで身につけられる程度の「専門性」は、実務につけば自然と身につくので、せいぜい1~2カ月で周囲と大差なくなるでしょう。

むしろ、変な癖や型が入って邪魔だと考える企業すらあります。だから、新卒採用で「専門性」は重要視されないのです。

新卒採用で重視されるのは?

長期インターンで学ぶべきポイントは「仕事への向き合い方」です。

・何かを聞かれたら、すばやく返事する
・任された仕事を、きちんとやり遂げる
・仕事の中で、スキルを身につけようとする
・周囲の信頼を勝ち取り、任せてもらえる仕事を増やしていく

新卒採用では、こうした仕事への姿勢、スタンスが重要視されています。社会人になってからの成長にも大きく影響するからです。

つまり、企業は就活時点での能力差が多少あっても、成長ポテンシャルの高そうな学生を採用するだろう、ということです。

長期インターンは、一緒に働く人たちの「仕事への向き合い方」をじっくり観察するチャンスです。付け焼き刃のスキルを身につけようとするのではなく、長期的な目線で考えてもらいたいと思います。

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著者近影

著者近影

【坂元 俊介】株式会社STORY CAREER代表取締役/キャリアコンサルタント・採用人事コンサルタント
同志社大学経済学部卒。新卒でリクルートHRMK(現リクルートジョブズ)入社。中途・新卒領域における求人広告媒体の営業に従事、その後、営業として3つの新メディアの立ち上げを行う。リーダーや大手担当を経験。Webベンチャーでのオフィス長経験を経て、30歳になるタイミングで家業の和菓子屋を継ぐとともに、企業の採用コンサルティング会社を立ち上げ、採用人事支援なども行う。リクルートの同期が立ち上げた株式会社STORYの法人化の際に、取締役に就任。大学生・第二新卒層のキャリア支援をおこなうSTORY CAREER事業部の責任者を兼任。2020年4月、STORY CAREER事業部の拡大に、同事業部を分社化、株式会社STORY CAREERの代表取締役に就任。毎年数百名の大学生・社会人のキャリア支援を行っている。

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