アメリカにはなぜSESやエンジニアの客先常駐がないのか? | NEXT DX LEADER

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この動画で学べること

  • アメリカのシリコンバレーで働くエンジニアによる「日本との相違点」の解説が聞ける。
  • アメリカの高給エンジニアがどういう働き方をしているのかが分かる。
  • SIerやSES、SE、派遣、常駐が存在する「日本のエンジニア環境」の問題点が分かる。

こんな人におすすめ!

  • 日本のIT業界で働きながら「何かがおかしい」とモヤモヤしている人。
  • 「いつかアメリカでエンジニアとして働きたい」と漠然と考えている人。
  • エンジニアを直接雇用して開発を内製化すべきと考えている事業会社の担当者。

分厚い仕様書を作るよりコードを書いた方が早い

DXを学びたい男性
この動画でどんなことが学べるの?
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シリコンバレーで活躍するエンジニアの方が、「アメリカにはSIerやSES、SE、派遣、常駐といったものがあるのか?」というツイッターからの質問に答えているよ。

投稿者の酒井潤さんは、「シリコンバレー発 スキルの掛け算で年収が増える 複業の思考法」(PHP研究所)や「シリコンバレー一流プログラマーが教える Pythonプロフェッショナル大全」(KADOKAWA)といった著書のある方だ。
DXを学びたい男性
アメリカでは日本よりもずっと内製化が進んでいると聞いたけど。
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酒井さんによると、シリコンバレーのIT企業のほとんどが自社開発で、外部に仕事を投げるということをしないという。なぜか自社開発というと、エンジニアはその会社の社員として雇われて開発を行うから。SIerという言葉も、アメリカではほとんど通じないという。

理由はいくつかあるけど、まずは「スピーディに開発できること」、そして「技術が他の会社に流出しないこと」をあげている。日本の場合、かなり分厚い仕様書を1~2か月かけて作り、それから外部に発注するけど、酒井さんは「そんなことをしている間にコードで書いちゃった方が絶対に速い」と言っている。

コードを書くときも、チームリーダーやアーキテクチャーのリーダーが、こういう設計でやります、といったことを1週間かけて2~3ページ書き、それを基に役割分担をすれば、翌週からコードの開発ができるというのが、アメリカでは普通だという。

社員全員がフリーランスのように働くアメリカ

DXを学びたい男性
外注しなくていいから、仕様書も少なくて済む面もあるのかな。
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日本のやり方でうまくいっていれば問題ないんだけど、日本の場合、発注者の大企業の力が非常に強く、仕様書が粗末なものでも罷り通ってしまうんだって。だから発注者側のスキルも低く、下請け会社が苦労することが多い。

それに対抗しているわけではないんだろうけど、下請け会社も発注者側のスキルが低いことを悪用し、ささいな開発に対して数千万円といった「ぼったくり」の請求をしても支払わざるを得ない状況にもなっているという。一種のもたれあい状態だけど、これでいいのかなと思わされる。
DXを学びたい男性
なんでそんな状態になっているんだろう。
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日本のIT業界では、SESとか請負、委託契約というものが当たり前になっているけど、そういった構造とも関係しているようだね。アメリカにはそういうスタイルの契約はないけど、それは雇用が流動化しているからなんだよね。

アメリカでは、極端に言うと、社員として雇ってもいつでも解雇できるので、社員全員がフリーランスのような感覚で仕事をしている。一方、日本は会社が手遅れになるほど傾かないと解雇できないので、正社員のほかに、雇用の調整弁として派遣や請負を組み合わせなければならない。

そういうこともあって、業務量が変動するIT開発が外注されるようになり、エンジニアの能力の高い人はSIerなど事業会社の外に集まっている。さらに実際の開発は多重下請け構造になっており、そのために分厚い「仕様書」が必要になるんだろう。

解雇規制の緩和ができない日本はどうする

DXを学びたい男性
でも、発注側で仕様書を作る人には開発経験がなく、下請け会社は中身が粗末な分厚い仕様書に従って仕事をせざるを得ない、という悲劇が起こる。
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酒井さんによると、大企業でSEを名乗る人でも、実際やっていることは社内の調整だけという人は多く、普段はパワポの資料づくりに従事しているのに「私SEです、アメリカで働きたいです」なんていってもエンジニアとしてほとんど通用しないという。

この問題をどう解決すればいいのか分からないけど、アメリカと同じようにエンジニアの地位を上げるためには、解雇規制を緩和して、雇用の流動化を進め、事業会社の中で付加価値の高い仕事をするのが当たり前の状態にする、ということになるんだろうね。

でも、日本で解雇規制の緩和なんて、たぶんすぐにはできない。だとすると、事業会社が頑張ってシステム開発の内製化を進めていくことが必要なのでは。そして、高い事業貢献を果たした優れたエンジニアを評価して、好待遇で雇用するのが第一歩なのかなと思う。日本の大企業が開発成果やエンジニアのスペシャリティをどう評価するかは、大きな課題だろうね。

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考察記事執筆:NDX編集部

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