日本の物流業界のDXが「世界から周回遅れ」になっている理由 | NEXT DX LEADER

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この動画で学べること

  • 外資系戦略コンサルティングファームの視点から見た「日本の物流業界」の課題が分かる。
  • 日本の物流会社が世界展開するための「構想」のひとつを知ることができる。

こんな人におすすめ!

  • グローバルな視点で見た「日本の物流業界の課題」を知りたい人。
  • 日本企業的な「ゼロリスク志向」がDXを進める弊害になっていると感じている人。
  • 「日本企業のレガシー」を活かしたDXのあり方を考えたい人。

「臨機応変」や「対応力」が逆に働いてしまう日本

DXを学びたい男性
この動画ではどんなことが学べるの?
DXに詳しいロボット
元キーエンスで製造業のDXを支援している天野眞也さんが、欧州系戦略コンサルティングファームのローランド・ベルガーでパートナーを務める小野塚征志さん「日本の物流業界のDX」のあり方について話をしているよ。

小野塚さんによると、日本の物流業界は欧米からも中国・インドからも大きく遅れているらしい。その理由は、日本の物流には「レガシーがあって、なおかつ対応力が問われる」からで、DXを進めるうえでのボトルネックにもなっているという。
DXを学びたい男性
レガシーは「過去の資産」だとして、「対応力」があるのは何が悪いんだろう?
DXに詳しいロボット
日本の物流業界は「“臨機応変”を期待する荷主」「“対応力”を売りにする物流会社」で成り立っている。これ自体は悪いことには見えないけど、欧米の「“コストの最小化”を期待する荷主」「“標準対応”を売りにする物流会社」と比べると、違いが浮き彫りになる。

言い換えると、「属人的・アナログ的な対応」に依存する日本より、「業務の標準化・定型化」で勝負する欧米の方が、物流のDXが進みやすいというわけだ。

DXが進む欧米は「割り切りのある文化」

DXを学びたい男性
発注者としても消費者としても「属人的・アナログ的な対応」は助かる部分だけどなあ。
DXに詳しいロボット
もうひとつ、日本企業には「マキシマイゼーション」「ミニマイゼーション」を突き詰めたい文化があるという。例えば「欠品はゼロにしたい」を突き詰めると、在庫量は無限に増えていく。「誤出荷はゼロにしたい」を突き詰めると、無駄な検品工程が増えていく。

一方、欧米は「オプティマイゼーション」の文化で、「1%の確率で欠品があってもいい。それでペナルティが出ても、在庫量が減らせたらどっちの方が安いのか?」という発想になる。誤出荷も0.1%許容すると、仮にクレームやペナルティがあっても、検品工程が3工程から1工程にできればトータルでは安くなる、という発想だ。

割り切りのある文化だと、このロボットを入れて100回に1回モノを壊すことがあったとしても、人件費より安ければ導入できるからDXも進む。でも日本では「いま人間がやっている工程以上に品質が高いことをロボットがやってくれない限り無理」という話になる。
DXを学びたい男性
それも分かる。日本は凝りすぎというか、昨今の「ゼロリスク志向」とかね。
DXに詳しいロボット
さらに中国・インドとの比較でいうと、彼らは過去の資産がないから新しいものを導入しやすいが、日本では廃棄や置き換えが必要になる。これらが「レガシーがあって、対応力がある」日本が抱える「二重苦」というわけだ。

ただ、動画は悲観的な内容では終わらず、後半は、クモの巣のように多方向とつながる「サプライウェブ」という供給ネットワークを構想し、「アナログとデジタルの融合」を強みとする新たな世界的プラットフォームづくりの提言になっている。

ボトルネックとなる課題と解決策の構想は、物流だけでなくいろんな業界に共通するところがあると思う。DXの構想を描く際に、視野を広げるきっかけになると思うよ。

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YouTube:【物流のDXとは】「日本の物流の勝ち筋」外資系戦略コンサルの経営戦略・ロジスティクスのプロが語る「新たなプラットフォームビジネス」【ローランド・ベルガー パートナー 小野塚征志 × TXFA天野眞也】

考察記事執筆:NDX編集部

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