早大・入山教授が「DXできない大手企業」を一刀両断

【経営者様向け】専門家対談中小企業からイノベーションを！世界から見た最先端 DX とは? より 2023.02.22

Microsoft 365 Japan

この動画で学べること

気鋭の経営学者による「日本企業におけるDXの問題点」をたっぷり聞くことができる。

こんな人におすすめ！

中小企業ではDXなんて無理、と思いこんでいるオーナー社長。
自分の会社はDXで強くなれる、と信じている中小企業の若手社員。
DXをやらなければ、とは思うものの本質的な取り組みができない大手企業経営者。

「もう簡単ですよ、オーナーシップがないんですよ」

この動画ではどんなことを学べるの？

「ITトレンドEXPO2023 winter」というイベントで、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄教授が、日本マイクロソフトのクラウド事業開発本部長と対談しているんだけど、かなりぶっちゃけた話をしていて面白かったよ。

日本の大手企業はなぜDXや変革ができないかについて、入山教授は「もう簡単ですよ、オーナーシップがないんですよ」と言い切っている。そして、大手企業の社長にオーナーシップがない理由は「任期が短いから」と指摘している。

大手企業の経営者に取材やレクチャーで接する機会の多い入山教授とすれば、かなりイライラが溜まっているのだろう。

オーナーシップを「当事者意識」と言い換えると、大手企業の社長は、自分が会社のDXや改革を推進する当事者であるという意識が希薄、ということだ。

まあ、大手企業の社長の任期は二年二期とか、せいぜい三年二期くらい。一方、DXや変革は10年、20年単位の取り組みなので、そこまで責任を負う必要がないというか、責任を負えない、ということになる。

逆に言うと、日本の大半を占める中小企業では、オーナーシップが明確なので、やる気さえあればDXや変革をしやすいはず、というわけね。

そういうこと。幸いなことにサービス環境としても、中小企業でDXを取り組みやすくなっている。入山教授は「これからのデジタル人材って、そんなにプログラミングできなくていいんですよ」と言っている。

なぜかというと、クラウド型のSaaSサービスが豊富に出ているから。「いろんな、もうすでにできあがってるITのサービスを使えば（取り組みを始められるし）、クラウドだから、しかも安いし、いつでもやめられる」というわけだ。

DXは「中小企業の方が全然有利」

SIerやITコンサルはそこまで言えないけど、ある種の事実ではあるよね。

プログラミング能力が高くなくてもデジタル人材になれる時代に、何が必要なのか。入山教授は「デジタル感覚がある人が、社長さんと五分五分の目線で会社全体のことが議論できたら、実は中小企業でも全然取り組めます」という。

一流大学のコンピュータサイエンス学部卒みたいな、ピカピカのデジタル人材の採用は中小企業には難しい。でも、工業高校卒とか高専卒とか、大学の文系学部卒だけどデジタル好き、とかでもいいから、若手に権限を与えることが大事だという。

要するに人材不足ではなく、人材活用が下手なだけであると。

やはりもう一度、DXとは何のためにやるのか、振り返る必要がありそうだ。バズワードになっているからやるんじゃなくて、なぜDXと言われるようになったのか。それは、DXに取り組まないと、会社が生き残っていけないからだ。

もしも任期が数年の社長に「会社の生き残り」と言ってもピンと来ないのであれば、DXによってビジネスモデルが変わることで、マンネリ化した会社が息を吹き返し、業績が飛躍的に良くなる、ということだ。

業績の飛躍的向上のために、何をすべきか。そのための課題とデジタル技術を結びつけて考えればいいだけの話なんだよね。

それができないということは、たぶん「経営課題」のような高いレイヤーの物事に取り組めないということなんだろうね。各部門には現場に強いボスがいて、組織横断的な課題には手が着けられない。デジタル以前、任期以前の問題だ。

もちろん中小企業でもそういう状況があるかもしれないけど、オーナー社長が腹をくくって粘り強く取り組めば、DXだって可能であると。それを入山教授は「大手で社長が二年二期で変わる会社は絶対変わらない。そこは中小企業の方が全然有利」と言っているんだね。

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