都内の有名私立大学に通う美咲さん(20歳 仮名)は調査結果に「意外と多いな、という印象でした」と話す。ただ、恋愛に全く興味がなさそうな男性は同年代にも一定数いるという。
「周りによくいるのが、『乃木坂とかアイドルが好きで、リアルな女性への関心は薄いタイプ』」
そういう男性相手だと、たとえちょっと好意を持っていても、女子側からのアプローチはしにくいという。「アイドルと比べられたら私じゃ無理だなって諦めちゃいます」と美咲さんはいう。
「私の友達もいいなと思っていた男の子と話していたら、乃木坂の推しをファンにしか通じない愛称(●●りん等)で呼んでいるのを聞いて、アイドルにガチ恋してる人とは付き合えないわとドン引きした、って言ってました」
ハマっているのがアイドルでなくても、「趣味に没頭している人はずっとデート相手がいない」印象があるのだそうだ。
もちろん恋愛に興味がある男性も少なくない。だが彼らが「デート」にこぎつけるハードルは高そうだ。美咲さんは「誘い方が、うまい人と下手な人で極端」だと感じるという。
上手な人は「サラッと自然に」誘ってくる。ところが、下手な人だと「断られても自分自身が傷つかなくてすむように、語尾に『笑』をつけたり、リアクションに困るようなメッセージをインスタで送ってくる」そうだ。
「好意を持ってくれているのかもしれないですが、こういう言い方をされると本気度が伝わらないし、どっちでもいいのかなって残念な気持ちになりますね」
もう一つ、男性が気軽にデートに誘いにくい環境を創り出しているのが「SNS」の存在だ。美咲さんの周囲ではカップルがデートに行くとほぼ必ず「デートの写真をインスタストーリーにあげる」のだという。
「『(相手に向けて)今日はありがとう』『美味しいものたべた、スカイ行った、ピクニック行った』とか。そういうレポートも含めて、デートなんです。逆に載せてくれないと、なんで?やましいことでもあるの?みたいな感じになります」
「デートはインスタ映えを意識して、誕生日のお祝いはホテルで年の数だけバルーンを用意するとか、お金がかかるイメージはあります。行く場所ひとつにしても色々と考えなきゃいけないし、お金をかけないとケチだと言われます」
まるでバブル時代が蘇ったようなお話……。しかし、周囲の女友達が日々そんなストーリーを投稿しているとすると、それに匹敵する「SNS映えプラン」を用意できない男子は、そもそも誰かをデートに誘うことすら躊躇してしまうだろう。
そんな風にデートのハードルが高まった結果だろうか、周囲の男子学生たちの中には「デート未満」の「遊び」で満足する人も存在するよう。
「見た目がかっこいい男の子の中には、彼女を作らないで何人かの女の子とずっと遊んでいる子もいます。女の子と喋ったりするのは好きで、思わせぶりなことも言うのだけど、いざ女の子がその気になってアプローチすると『そういうのじゃないから』みたいな……。
何でそんなことをするのかはわかりませんが、女性からチヤホヤされるのが嬉しいみたいです。特定の彼女を作らなければ記念日プレゼントもいらないし、お金もかからないので。そういう関係が都合のいいんだと思います。周りからは、そういう人として受け入れられてますが、見た目がいいから許されてる」
イケメンでモテる要素はあったとしても、お金がない男性はこうなりがちなのかもしれない。ただ、デートのSNS投稿がほぼ必須のため、多人数にモテたとしても深入りして、いわゆる「二股」状態になるケースはあまり見かけないそう。誠実なのか不誠実なのか、もはや何がなんだかわからないが……。
後編では、やはり都内の大学生萌さん(20歳)に話を聞いてみた。萌さんは、ここ数年、大学生が直面していた過酷な恋愛状況を語ってくれた。(後編に続く ※関連記事から)