アパレルショップや美容室などの「お見送り」サービスが、煩わしいと感じる人は少なくない。ガールズちゃんねるに7月上旬、「服買って『お出口までお持ちします』が苦手。」というトピックが立った。トピ主は会計を済ませてから店員が出口まで「お見送り」してくれることに、苦手意識があるという。
「出口に向かうまでのあの微妙な空気……。すっごく気まずいので本当は断りたいです(笑)」
と胸中を語り、「みなさんはどうですか?」と問いかけると、「苦手です」「その後のおじぎも」など、共感の声が相次いだ。(文:篠原みつき)
断る人も多数「デパコスカウンターでもされるんだけど意味不明」
こうした「お見送り」サービスは、高級ブランド店で行われるイメージがあるが、いつからか一般的なアパレルショップでも見られる光景となっている。ただ、さほど高価な商品を買ったわけでもないのにいちいち出口まで運ばれたら、トピ主のように気まずい思いを抱く人もいるだろう。
トピック内のコメントは、やはり「お見送り」が苦手だとするコメントが相次いだ。
「服屋も美容室のお見送りもいらない。車が見えなくなるまでお辞儀してるのとか見かけるけど、ナンセンスな感じする」
「デパコスカウンターでもされるんだけど意味不明」
「見送られるの苦手なので、『ここでいいです』と断ってます」
など、見送りは断るという声は多い。「こういうの求めてる人のが少ないんじゃないかと思う」という意見もあるように、このサービスが「不要」と感じている人は少なくないようだ。
中には「別に気にしないよ。誰も見てないし。向こうも仕事だからしょうがない」と、店員の事情を察してくれる人も複数いたが、逆にお客に気を使わせているようでは、本当に無駄なサービスではなかろうか。
アパレル店員「上司が見てるのでやらざるを得なかった」
一方で、アパレル店員の経験者からは、「スタッフも面倒と思ってるけど、マニュアルでするように言われてる」「ごめんね。こっちもやりたくてやってないんだ。万引き防止だよ」といった弁解が入っていた。万引き防止に関しては、ショップの袋に未会計の商品を入れるという万引きが20年ほど前に流行ったという説も出ている。
しかし大半の店員経験者は、「万引き防止ではなく、あくまでお客さまへのサービスです」と説明していた。サービス命の上司から決められた、こんな極端な例もある。
「関西系の某百貨店に居た時は、(中略)エレベーターやエスカレーター、場合によっては一階の出入り口まで送るはめになった。お客さんも気まずそうだった。(数ヶ月で廃止)」
「以前勤務していた服飾雑貨店では1000円未満のアクセのちっさい紙袋でもお出口まで~やってた。客もは?ってなるしこっちも気まずいが、上司が見てるのでやらざるを得なかった」
出口といっても1階までついて来られたら、他の売り場にも寄りづらくなってしまう。いかにも”日本の過剰サービス”だ。トピックには「ユニクロで買えば解決」という声もあるように、通販含め簡潔な購入方法に慣れた最近の客にとって、過度な接客サービスはむしろマイナスになりそうだ。
なお、コメントの中には「えー、むしろ嬉しいけどなぁ?」「折角やってくれるのでセレブになった気持ちで受け取ってるよ。良いの買えたな~って浸ってたらすぐ出口」という肯定派も。トピックは「苦手」な人が集っているためここでは少数派だが、こうした方々もいらっしゃるので、なかなか全廃とはいかないのだろう。