3月のプレミアムフライデーは年度末 「忙しければ振替実施して」事務局が呼びかけ
プレミアムフライデーが今月末に実施1周年を迎える。昨年の初回実施時には多少盛り上がったものの、その後は月末金曜日になるとツイッターで「自分は関係ない」などの声が上がったまま1年を迎えた。
3月の実施日である30日は、月末に加え、年度末の最終営業日にあたる会社も多く、15時退社が難しくなる可能性が高い。そこでプレミアムフライデー推進委員会は2月15日、
「年度末で定時退社含めた早帰り等の実施が難しい場合には、 例えば別の金曜日に振り替えるなど、柔軟な取組を推奨しております」
と、「振替プレミアムフライデー」の実施を呼び掛けた。
個人消費を目論んでの「月末金曜日」だったのに、振り替えたら意味なくない?
しかし、プレミアムフライデーが導入された経緯を考えると、「振替プレミアムフライデー」は矛盾している。同制度は働き方改革と個人消費の喚起促進を目的に設定されたと言われている。
月末金曜日になったのも、給料日後の週末にあたる企業が多いことから、消費喚起に望ましいと考えられたためだ。経産省の消費流通政策課(取材当時は流通政策課)の担当者は昨年6月、キャリコネニュースの取材に「元々は消費喚起が目的」と答えている。
それなのに、財布の中身が最も心許ない時期でも構わずに振替実施を推奨するのは、臨機応変といえば聞こえはいいが、迷走している印象も受ける。
推進協議会が毎月のプレミアムフライデーに設定しているテーマともずれが生じる。3月のテーマは「お花見」だが、ウェザーニュースが2月15日に発表したデータでは、東京の開花予想日は3月22日だった。他の主要都市も、福岡が21日、名古屋が23日となっている。仮にプレミアムフライデーを一週間前倒して3月23日に実施したところで、花見を楽しめるほど桜は咲いていない。
ちなみに、DeNAトラベルが1月9日に発表した調査では、2017年12月下旬から2018年1月頭の時点で、勤め先でプレミアムフライデーを実施していると答えた人は10.6%しかいなかった。導入前にはEY総合研究所が「経済効果は5000億円超」と謳っていたが、振り替えてまで実施する意義はあるのか、疑問が残るところだ。