児童虐待に対する関心が高まっているが、親が教育に熱心になりすぎ子供を追い詰めてしまう”教育虐待”が注目されつつある。昔は子供の教育に熱心な母親は”教育ママ”と言われていたが、虐待とは言わないまでも幼少期に厳しく管理されることで、大人になっても生き辛さを抱えている人は少なくない。
ガールズちゃんねるに10月23日、「教育ママに育てられた人、幸せですか?」というトピックが立った。教育ママに育てられたトピ主は常にスケジュールを管理され、家族旅行時にも勉強道具を持参されるなど、辛い幼少期を過ごしたという。一応、難関大学に進学できたが、ふとした瞬間に母に勉強が出来ないことで泣くまで叩かれた過酷な過去を思い出し、苦しい気持ちになるようだ。(文:石川祐介)
「母親の学歴コンプレックスで、すごい勉強させられました」
コメント欄には、「泣くまで叩くってただの毒親でしょ。自分の思い通りにならないから暴力でものを言わせようだなんて、教育ママじゃなくてそれは暴力ママです」と同情するコメントが相次いだ。
「学歴あるけど、勉強しかしてこなかったから人付き合いが分からない。友達いないし職場でも周りから距離置かれてる」
トピ主の母親は我が子を良い大学に進学させたことに満足感を得ているのかもしれない。ただ、親子の信頼関係が築けないと他人と良好な関係を育むことは難しい。確かに学歴は大切だが、そればかりを気にしてしまうと社会に順応できない大人になるリスクがある。
「母親の学歴コンプレックスで、すごい勉強させられました」
「自分は低学歴なくせに教育ママ気取ってる奴とか、マジで意味が分からない。自分の学歴コンプレックスを子供の学歴で晴らせると思ってるバカ」
自分の学歴にコンプレックスを抱えていることが、親を教育ママにしてしまう要因に挙げられる。自分が叶えられなかった夢を子供に押し付ける親は一定数おり、その夢を子供が叶えたら美談になりがちだ。ただ、子供の気持ちを無視するのは問題だろう。それでは主体性は育たない。
しかし、トピ主の母親に対する否定的なコメントが相次いだが、彼女を責めるのは早計とも思える。日本では育児の主体はまだ母親の部分が大きいので、子供の成績が悪いと母親のせいとされてしまうこともある。周囲のプレッシャーから行き過ぎた教育をしてしまうケースもありそうだ。
親のコンプレックスに子供を巻き込むことは言語道断だが、母親ばかりに背負わせずに両親ともに育児に参加することが子供にも余裕をもたらすのではないだろうか。