大地震で社員を15時まで放置!一方「上層部は朝からホテル確保」 呆れた会社の実態を振り返る男性

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「偉い人たちは、朝のうちに最寄りの駅前ホテルを確保していたそうです」
大地震で交通網が麻痺し、現場の社員たちが指示もなく放置されていた裏で、上層部だけが自分たちの寝床を押さえていた――。かつて医薬品製造工場で働いていた森田さん(仮名、60代男性)は、後日そんな話を同僚から聞いて呆れ果てた。
編集部は森田さんに取材し、当時のあきれた会社対応の実態を聞いた。(文:篠原みつき)
出社した社員は「15時までほったらかし」
2018年6月18日の朝7時58分に発生した大阪北部地震。震度6弱を記録し、交通機関は大規模な麻痺に陥った。
森田さんの当時の勤務先は、近畿地方にある医薬品製造工場だった。森田さん自身は地震発生前に出社していたが、出社できた社員は全体の半数ほどにとどまったという。
「品質担保のため、製造業務に従事する人数やダブルチェックの体制が決められています。人数が足りないと通常の製造業務ができないため、薬事法を逸脱しない範囲での準備や掃除、書類仕事をしていました」
予期せぬ災害とはいえ、出社していた上司や上層部からの指示は一切なかった。社内で待機する社員への連絡もないまま時間が過ぎ、当日の営業中止と帰宅指示が出たのは、なんと15時頃になってからだった。
「JRが運転再開した20時頃にようやく帰ることができました」
帰宅指示が出たとはいえ、電車は依然として動いていなかった。近隣に住む者はそのまま帰宅し、一部の社員は私鉄などを乗り継いで大きく迂回して帰路についた。
「私はJRが動くことを期待して駅で待機しました。時間を潰したくても周囲の喫茶店などは、ほぼ全て営業していませんでした。結局、JRが運転を再開した20時頃になって、ようやく帰ることができました」
そんな大変な一日を過ごした森田さんだったが、後日、他の社員から耳を疑うような話を聞かされた。
「詳しい役職までは不明ですが、部長級以上の社長や三役といった『偉い人たち』は、朝のうちに最寄り駅前のホテルを確保していたそうなんです」
この工場は全国区メーカーの子会社であり、県外にある親会社からの「天下り」も多かったという。
上層部からホテルの一件について何の説明なく……
現場の社員を15時まで放置する一方で、いの一番に自分の身の安全と寝床を確保していた上層部。それを知った森田さんに当時の心境を聞くと、「少なくとも私は呆れました」と語った。
後日、出勤できなかった社員や早退した社員が「1日出勤扱い」になるという最低限のフォローはあったものの、上層部からホテル確保の経緯や意図については何の説明もなかったという。
森田さんはその1年後に退職した。この件と辞めた事とは関係がないそうだが、失望した事実はいつまでも心に残っている。
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