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帝国データバンクは4月8日、「全国企業倒産集計2026年3月報」を発表した。調査は3月1日から31日までの期間、負債1000万円以上の法的整理による企業倒産を集計・分析したもの。
3月の倒産件数は943件と前年同月を7.8%上回り、不況型倒産が全体の8割(81.8%)を占める中、業歴30年以上の老舗企業が過去10年で最多となるなど、経営基盤の厚い企業でも限界が近づいている現状が浮き彫りとなった。
「不況型倒産」が全体の81.8%。サービス業は2000年以降で過去2番目の多さ
3月の倒産件数である943件という数字は、3月としては2012年以来14年ぶりに900件を超えた。内容を見ると、販売不振や売掛金回収難などを含めた「不況型倒産」が771件に上り、全体の81.8%を占めている。
特に主因の筆頭である「販売不振」は748件に達し、3月としては過去10年で最も多い。業種別では、サービス業が251件と突出しており、これは2000年以降で過去2番目に多い水準だった。
サービス業の内訳をみると、旅館やその他宿泊所、娯楽業の増加が目立つ。日中関係の悪化による訪日中国人の減少や原油高騰によるコスト増の影響が、企業の経営を直接的に圧迫している様子がうかがえる。
業歴30年以上の倒産が過去10年で最多
倒産企業の属性に目を向けると、長年事業を継続してきた老舗企業の苦境が目立つ。業歴「30年以上」の企業倒産は324件と、3月としては過去10年で最多となった。また、規模別では負債5000万円未満の小規模倒産が575件で、2000年以降で最多を記録している。
こうした企業が窮地に立たされている背景には、デフレ脱却に伴う急激な物価高や人件費の高騰、金利上昇といった多方面にわたるコスト上昇がある。帝国データバンクが2月に実施した調査によると、中小企業の価格転嫁率は42.1%にとどまっており、上昇したコストを十分に販売価格へ反映できていない。耐え忍んできた企業も、自己資金の枯渇や資金繰りの悪化により、事業継続を断念せざるを得ない状況に追い込まれているようだ。
企業の賃上げ機運や景気回復への期待はあるものの、2025年度の累計倒産件数は1万425件に達し、2年連続で1万件を超える高い水準となった。
直近では米国とイスラエルによるイラン攻撃をきっかけとした原油価格の急騰など、海外情勢の不透明感も増している。燃料や資材の仕入れコストがさらに増加すれば、手元資金の乏しい企業を中心に倒産が急増する懸念がある。2026年度も倒産件数は増勢をたどる可能性が高く、経営基盤の安定性や価格転嫁の可否によって企業の二極化がさらに加速しそうだ。
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