「自分で選んだ道です」 残業200時間超の”社畜YouTuber”が退職しない理由 | キャリコネニュース - Page 2
おかげさまで9周年 メルマガ読者数
65万人以上!

「自分で選んだ道です」 残業200時間超の”社畜YouTuber”が退職しない理由

ブラック企業で働く”社畜”さんは、大学時代の友人と2人で「社畜so sweet」チャンネルを運営している。YouTubeへの投稿は、現在編集担当の友人が思いついたという。

「ブラック企業勤めだと忙しすぎて一般人の目に触れる機会がありません。実際に友人が月200時間残業して働いているし、その周りにも同じように働いている人がたくさんいるのに認知されていません。実態を知ってもらいたくて彼を誘い、投稿を始めました」(編集担当さん)

現在、社畜さんの勤務時間は大体平日7~23時、休日出勤時は9~17時。残業は多い時で月約200時間、少ない時は約100時間で、平均すると約150時間となる。健康障害のリスクが高まるとする過労死ラインは月80時間。残業時間が少ない時でもそのラインをゆうに超えている。

年収は約550万円。休日については、「忙しい時だと月2日程度ですが、忙しくなければ大半の土日は休みのときもあります」と語る。

視聴者から「社畜さんみたいな人がいる限りブラック企業は無くならない」の声も

そんな生活について、9月ごろまでは動画で「つらい」「辞めたい」などと発言をしていた社畜さん。一般的に、ブラック企業で働く人=可哀想な人という認識があるため、投稿動画は「可哀想に見える方が共感してもらえるんじゃないか」とネガティブな面を発信していた。

同じく社畜として働く人からの共感が寄せられるようになったが、「なぜ辞めないのか」という声も多く上がるようになった。視聴者に疑問を抱かせ続けるのも良くないとして10月初旬、社畜さんは現在の働き方に納得して、楽しんで働いていると明かした

社畜さんは勤め先や業界について明かしていないが、昔からやりたかった仕事に就いており、ブラック企業であることを覚悟して入社しているという。今後は「ブラック企業でも楽しめているという本心を出して、素のまま動画を作る」と社畜の”ポジティブな面”を発信するという。

とはいえ、視聴者からは「『やりがい』や『憧れ』を優先して、悪しき風潮を助長する行為にしか見えない。苦しんでいる同僚からすれば”声を上げづらい環境”を作り出しているのでは?」「社畜さんみたいな人がいる限りブラック企業は無くならない」といった声も寄せられている。

これについて社畜さんは、

「少しキツイ言い方になるかもしれませんが、それは全て自己責任だと思っています。ブラック企業を選ぶのも、キツくてもやりがいや憧れを優先するのも。私は自分の選択に現状は文句はありません。自分で選んだ道ですから」

と言い切る。

一方で、「しかし世の中には”声を上げるロールモデル”が求められるのも理解できます。私がそうなることは出来ませんが、少しでもその人の背中を押すためにも”全ては自己責任”と言い続けたいと思います」とコメントしている。

社畜でもポジティブに働くコツは「欲を持たない」 でも「誰にでもできることじゃない」

社畜さんは、動画で”社畜のポジティブな面を発信する”と発言していた。元々やりたかった仕事であるため「自然とポジティブな気持ちになれています。たいていの子どもってピーマンが嫌いですけど、私は子どもの頃から好きで。好きになろうと思って好きになったんじゃなくて、元々ピーマンが好きだったんです」と語る。

また、動画ではポジティブな気持ちで働くコツは「欲を持たないこと」としていたが、「これは誰にでもできることじゃないと思います」とコメント。

「無理してポジティブになろうとするよりも、ポジティブになれる会社を探す方が良いと個人的には思います。苦手なピーマンを頑張って食べようとするよりも、カレーとかラーメンとか美味しいものはいっぱいありますから」(社畜さん)

自身は”好き”で納得の上で働いているが、この働き方を他者に強制するつもりはない。動画でもブラック企業を無くすためには、ブラックだと思ったら従業員がすぐに辞めることだと話している。

社畜さんは父親もブラック企業に勤めていた。それが原因かは定かではないが家庭はうまくいかず、父親も早くに亡くなってしまった。そのため「ずっとこの会社で働くつもりはなく、結婚して家族を持ったら辞めるつもり」とのことだ。

「それまではこの環境で研鑽を続けたいと思うし、今はそれで精一杯なので今後については全く見えないです。まあ、人生なんとかなるということを社会人になって身をもって体感したので、なんとかなりますかね」(社畜さん)

【PR】注目情報

関連記事

次世代バナー
次世代バナー

アーカイブ