「飲食店はブラック」という話はよく聞く。休日出勤や不規則なシフト。そのうえ、長時間の立ち仕事で相当な重労働のはずだ。実際に
「『8月だから』という理由で休みなし。毎日15時間拘束」
など、繁閑に左右される業種ゆえに勤務時間やシフトも調整させられることもある。そんな飲食店でのブラックなエピソードをまとめた。(文:林加奈)
バイト歴2年で新人教育を任されるも「新人がコロコロ変わるので終わりがない」
30代の男性は、アルバイト歴わずか2年で社員レベル以上の仕事を押し付けられるようになった。
「休憩時間も1時間のところを20分で終わったこともありました。なぜなら休憩に行っても作業が進まず、仕事が止まってしまうためです。できる人が休むとピークの時に余計に大変になってしまうため、休みたくても休めない状況でした」
男性がきついと感じた仕事がもう一つ、アルバイトの新人教育だった。驚くことに、男性が勤務する飲食店では正社員の人は新人アルバイトの教育にかかわろうとせず、アルバイトに任せていたという。
「僕がアルバイトの教育をするハメになったのですが、新人アルバイトは仕事がきつくてすぐにやめてしまったり、諸事情により半年未満で辞めてしまったりすることがあります。そうするとまた新しい人を採用して教えたりと、新人教育に終わりがありませんでした」
男性は先輩から教えてもらったことは少なかったが、マニュアルを読むなどして自分なりに後輩への指導方法を模索していた。そうした努力が水の泡になるように新人がコロコロ変わってしまうために、退職を考えるきっかけになったと語る。
休みは月2回、半日以上拘束「仕事できないのによく休めるわ」と嫌味な店長
正社員として飲食店に勤務したことがある30代女性は、当時の経験を次のように語る。
「本部に申請する残業代を店長がケチっていたため、朝早い出勤でも遅めにタイムカードを打刻、夜は仕事が終わっていないのに閉店時間と同時に強制的に打刻。当時の休みは月2回でした」
女性は店長と折り合いが悪かったらしく「声が小さいと店長から言われていたのですが、喉が弱く声を張り上げても無視されることが当たり前でした。聞こえているのに無視されることも」あったと語る。
よほど人手が足りなかったのか、店長は休日でも出勤しタイムカードを打刻せずに仕事をしていたこともあった。そのため、女性は休み明けに出勤すると「仕事できんのによく休めるわ」と嫌味を言われたことも。現在はすでに退職しているが「あの頃はほとんど毎日、半日以上職場にいて気がおかしくなりそうでした」と綴っている。
※キャリコネニュースでは引き続き「ブラック企業経験談」や冬のボーナスが激減した人に関するアンケートを募集しています。